歪んだ十字架２ (ページ40)

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辰哉side

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病院の人に許可を得て、

今日は特別にそのまま泊まることに。

蓮は午後から舞台稽古らしい。

台本を読み込まなきゃいけないらしく、後ろ髪を引かれる思いで家に帰っていった。

　

　

部屋にラウールと二人きり。

ベッドにもたれ掛かっても、なんだか目が冴えちゃって全然寝られない。

　

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どこへ行っても、すばしっこく走り回るラウール。

追っかけるのはいつも俺か照だった。

ラウ「辰にいだっこぉして～」

辰哉「も～ラウは甘えんぼうだな～(笑)」

抱き上げた瞬間に

ラウ「やっぱりひーくんのだっこぉ～」

照「やっぱりラウは顔デカ辰にいより、ひーくんが好きだもんな～(笑)」

辰哉「おいっ！！！」

ラウ「きゃはははは！！」

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ぼーっと昔のことを思い出していると

眩しい朝日が少しずつ昇り始める時間。

　

　

　

久しぶりにラウールの顔をちゃんと見て、

繋いであげたその手。

救急車の中では、蓮の手の上からだったけど。

改めて、触れてみると、

昔に繋いだちっちゃくて、ぷにぷにとした感覚よりも、

確実に大きくなっていた。

　

　

辰哉「大きくなったね、ラウ。」

　

もう昔のちっちゃい末っ子ラウールじゃなくて。

大きく成長しているんだね。

父さんが、命がけで助けたラウール。

ちゃんと俺らが守ってあげなきゃいけなかったね。

　

瞼がピクリと動き、

ゆっくりと目を開ける。

　

　

辰哉「おはよ、ラウ。」

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