歪んだ十字架２ (ページ19)

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涼太side

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あの万引き事件から、

どことなく、ラウールが気になっていた。

　

　

また何かするんじゃないかというより、

どんどん生気が失われていくような。

無表情という言葉がぴったり。

　

　

洗い物も食事の準備もぼーっと一点を見つめて作業を進める姿に、

ちょっとここまで放置した自分を後悔した。

　

　

涼太「ラウ。手伝うよ。」

　

久しぶりに呼んだ名前。

俺の声にビクっと体が跳ね上がり、

　

ラウ「大丈夫です。償いなので。」

　

消えそうな声。

妙に大人びた敬語を使うラウール。

とても兄弟に話しかける姿とはみて取れなかった。

こうしてしまったのは俺たちのせいだけど。

　

　

そして、

時折お腹をさする姿が目に付いた。

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