血の通わない人形２ (ページ20)

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辰哉side

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そんな俺を見て、

櫻井「大丈夫ですよ。ラウール君にとってお兄さん方は安心材料になっているはずです。ただ、やはり虐待を受けていた時間があまりにも長いことで、なかなか今の生活に慣れていないんだと思います。」

櫻井「おそらく、これから色々な行動をするはずです。でも、お兄さん達が焦ってしまうと、周りに飲まれてどんどん、しんどくなってしまいます。あくまでも落ち着いて対処してください。難しいですけど(笑)」

例えば、試し行動と言って、本当に愛されているか、この人は信用して良いか試したりするらしい。

櫻井先生は初心者の俺らでもわかるように丁寧に説明してくれた。

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櫻井「本当はラウール君にもお話を聞きたかったのですが・・・。今日は無理そうかな？」

トントンとラウールの肩を叩き、目を覚ます。

櫻井「ラウール君。はじめまして。こんにちは。」

椅子から降り、櫻井さんも同じ目線になって、

ベッドのラウールと顔を合わせる。

初めての人にキョロキョロとし出し、

やっぱり涙目になる。

ラウ「・・・・・・。」

櫻井「声でないの辛いね。でも大丈夫だよ。一緒に治して行こうね。」

ラウ「っ・・っ・・・・。」

じーっと目で何かを訴えてくる。

いつものラウールの姿だった。

櫻井「紙になら、気持ち書けるかな？」

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