歪んだ十字架８ (ページ10)

今日:4 hit、昨日:82 hit、合計:228,986 hit

―３１５― ページ10

辰哉side

　

　

・

・

　

・

　

扉を開いた瞬間に

　

広がったのは

　

まるで地獄絵図だった。

　

　
　

お湯も

　

浴槽も

　

何もかも

一面

赤

赤

赤

　

それもただの赤じゃない。

　

真っ赤。

　

そこに横たわるラウールに、

俺はなんて声をかけただろう。

人って衝撃を受けすぎると、体が硬直して動かなくなる。

途端に声が出せなくなる。

　

辰哉「っ・・・・・・・。」

涼太「・・・・・・・。」

　

あまりの悲惨な光景に、

ただただ唖然とするしかなかった。

　

絞り出すように聞こえた涼太の声にはっとする。

　

　

涼太「ねぇ・・・ラウ？」

・