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辰哉side
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辰哉「蓮は違うと思うけど、俺らはどうだろうね。」
自嘲気味に笑う。
ずっと味方だった蓮とラウールが倒れてから気づいた俺らとでは違う。
蓮「どんなに辛そうでもさ、やっぱり兄貴たちのこと大好きだったもん。」
確かにそう。
いつも俺らに気を使っていた。
だからこそ入院した時はきっとその反動だったんだよね。
きっと俺らに愛されたかった。
愛してほしかったんだと思う。
蓮「だからこそさ、自分がいなくなったらみんなが笑って過ごせるようにって。こんな選択をしたのかな。いつだってラウは俺らのことを考えて動いてたから。」
辰哉「俺らはさ、やっぱりラウを失ったことに目を向けなきゃいけないと思う。このまま家族が歪んだままじゃだめだから。照と翔太と母さんも。ちゃんと向き合って、家族みんなでラウを弔わなきゃいけないって思うよ。」
でもまだ、家族はバラバラ。
母さんのことだって。
その準備はまだまだかかりそう。
辰哉「時間がかかってもさ、それが俺らの使命だよ。照と翔太に償いを背負わせたら、また繰り返しだから。ちゃんと向き合って。ちゃんと家族が再生できるようにしなきゃ。」
蓮「そうだね・・・。」
辰哉「でも1つ言えるのはさ・・・。」
辰哉「蓮には笑顔でいて欲しいと思うよ。少なくともいつもラウの味方だったわけだから。」
蓮「・・・・・・。」
辰哉「いつまでも悲しい顔してたらさ、ラウに怒られちゃうよ。」
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時