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辰哉side
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蓮「ねぇ?」
辰哉「ん〜?」
蓮「これってさ、どこに向かってんの?」
辰哉「えー?秘密〜。」
蓮「はぁ・・・・・・。」
もう全てにため息(笑)
まあでも、蓮は久しぶりだからあんまり覚えてないか。
しばらく電車に揺られていると、
街並みが変わり、段々と緑が多くなる風景。
辰哉「着いたよ。ここ、覚えてる?」
蓮「ここって・・・。」
段々畑の頂上にある高台からは、きらりと海の水面が見える。
ここから見ると人や建物のすべてが小さく感じるんだよね。
見晴らしの良い景色。
ふわっと吹く海風が心地良い。
その高台のすぐ奥のところに
父さんのお墓がある。
辰哉「蓮は久々だよね。」
蓮「うん・・・。」
本当はこまめに行かなくちゃいけないんだけど。
あの時の辛い記憶が蘇ってくるからって、
兄弟全員少しずつ足が遠のいてしまった。
だから、蓮が来るのも久しぶり。
でもここは、
父さんだけじゃない。
そう。
ラウールが眠る場所でもある。
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年11月1日 0時