歪んだ十字架８ (ページ18)

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涼太side

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真っ白な顔で眠っているラウール。

その目は固く閉じている。

あの風呂場にいるラウールを見つけてから、

時の流れが一瞬だった。

病院に運ばれて、

ただただ、生きていて欲しいことを願って、

でも・・・

もう助からないということが分かって、

絶望して。

よくわからないまま辰哉と一緒に手分けして連絡を入れて。

　

　

人ってこんなに簡単にいなくなっちゃうんだって。

あれほど父さんが死んだ時に学んだのに。

俺らって本当に馬鹿だよ。

　

　

そっと頬に触れると。

涼太「まだ温かいね・・・。」

辰哉「そうっだね・・・・。」

　

手が・・・

首が・・・

体が・・・

　

　

　
　

耳を澄ますと、奥から足音が聞こえる。

その音は段々と大きくなり、扉の前で止まる。

　

ガラっ

亮平「辰にい・・・。」

大介「はぁっ・・・はぁ・・。嘘でしょ？」

康二「嘘やんな・・・。」

　

全員が嘘であってほしいと願っていた。

ただ、目の前のラウールを見て、

みんな愕然とする。

　

康二は瞳から大量の涙が溢れ出し、

大介と亮平は、目を見開く。

　

康二「なんで、なんでなん？」

大介「・・・嘘だよ。こんなの。あんなに元気だったじゃん。」

亮平「っ・・・・・・。」

　

本当・・・

何もかも

嘘だったらいいのに。

時間を戻せたらいいのに。

なんでこうなっちゃったんだろう。
　

・