歪んだ十字架８ (ページ17)

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辰哉side

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霊安室というところは嫌い。

嫌でも父さんが死んでしまったあの時を思い出すから。

　
　

でも今、俺らはそこにいる。

もう二度と起きることのないラウールと一緒に。

　

辰哉「全員・・・連絡したよね・・・？」

　

涼太「うん・・・・。」

　

あれから、涼太と一緒に手分けして連絡を入れた。

メールで伝えるのはあんまりだから電話で。

俺らもいっぱいいっぱいで。

自分の言葉で発するたびに

それが現実だと受け入れなきゃならない。

それが何より苦しくて・・・。

　

　

受け入れがたい状況なのは兄弟みんな同じで。

俺らの声を聞いて、この状況がただ事じゃないと感じたのか、

すぐに駆け付けてくれるみたいだった。

　

全員の連絡が終わった後、俺らは崩れるように腰を下ろした。

辰哉「・・・・・・。」

涼太「・・・・・・。」

　

今はただ、何も話せない。

話したくもない。

訪れる静寂が

俺たちを闇に引きずり込もうとしているよな気がして、

怖かった。

　

今までの自分たちを

どう恨んでも、

足掻いても、

こうなってしまった事実は変えられないこと。

こうなる前に何かできることがあったんじゃないかということ。

俺らはいつも後悔ばかりしている。

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