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辰哉side
・
シャワーが床に転がって、お湯がシャーっと出たまんま。
動揺して、手が震えて・・・。
今の俺にはこのシャワーすら止めることができなかった。
涼太が救急車を呼びに行ってしまって１人きり。
抱きかかえたラウールはだらんと力が抜けて重かった。
その重さが・・・
さらに恐怖を助長させた。
ラウ？
どうして？
辰哉「なんで。こんな・・・。」
なんでこんなことしたの？
こんなことしたら、絶対痛いでしょ？
こんだけ血が出てたらさ、死んじゃうよ。
それとも・・・
それくらい、ここから消えたかったの？
俺ら、元通りになっていたところだったじゃなかったっけ？
浮かびは消えるたくさんの疑問。
辰哉「ラウ・・・どうして・・・？」
その問いに、反応すら示さない。
辰哉「ごめんね・・・。」
辰哉「きっとまた俺たち気づけなかったね。」
ごめんね。
ごめん。
ラウ。
・
この時はまだ、
信じていた。
信じていたんだ。
きっとまた、目を開けて、
この前みたいに、
「辰にい」って呼んでくれるって。
本当に信じてたんだよ。
ラウ？
・
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作者名：ゆり
| 作成日時：2022年11月1日 0時
