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ラウールside
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布団に入り、目を閉じるけど眠れない。
家に帰ってきてから、
本当に嬉しいことばかり。
辰哉「ラウ?こっちで食べよう。」
涼太「うん。こっち、おいで。」
そう言われて、
久しぶりにリビングでみんなと一緒に食べた。
時折見えた、照にいと翔にいの視線が痛かったけど、
でも二人とも今までとは違う感じで。
僕のことをあからさまに煙たがる感じもないし、
特に何も言われなかった。
お兄ちゃんが気にかけてくれて、
僕の存在を認めてくれる。
もう、お兄ちゃんにビクビクしなくていい。
顔色を伺わなくていい。
ここに存在してて良いんだって。
ラウ「うぅっ・・・・ぅ」
気づいたら、目の前の視界がぼやけて、
枕に涙が溢れていた。
僕は一生、
償いながら、みんなに嫌われて過ごすのかと思ってたから。
今まで、一人寂しくキッチンで食べたご飯は、
「美味しい」と感じたこともなかった。
でも、久々にみんなで食べたご飯は・・・
なんだか温かかった。
凄く、凄く美味しかった。
こんな日が来るなんて・・・
思ってもみなかった。
むしろ来ていいのかな?
昔に戻ったみたい。
本当に、
嬉しかったな。
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年9月1日 0時