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ラウールside
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朝起きて、何となく感じたみぞおちの違和感。
食欲はあんまりなくて、自然と箸を持つ手が止まる。
ちょっとの異変でもお兄ちゃんにはすぐに気づかれてしまった。
ラウ「行ってきます。」
涼太「無理しちゃだめだよ。」
ラウ「うん。分かった。」
玄関で靴を履いている時に辰にいに呼び止められる。
辰哉「ラウ?」
ラウ「うん?」
振り返ると心配そうな辰にいの顔。
辰哉「本当に行くの?今日は、ゆっくり休んでもいいんだよ。」
ラウ「うん(笑)。大丈夫だよ。」
辰哉「なんか痛かったら保健室行くんだよ。ダメそうだったら、俺でも誰でもいいから、連絡してね。」
ラウ「うん。わかった。じゃあね。」
玄関を出て、ふぅと一息。
シトシト降る雨
何だか余計に僕の体調を悪くさせる予感。
少しだるいけど大丈夫。
とにかくお兄ちゃんにはもう迷惑かけたくない。
嫌われたくない。
すごく僕のこと心配してくれる。
それだけで十分。
その環境がとにかく嬉しかった。
ラウ「よし頑張るぞ。」
そう自分に言い聞かせて、僕は足を進めた。
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作者名:ゆり | 作成日時:2022年9月1日 0時