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ラウールside

















帰り道は、足取りが軽快だった。









そっか





そうなんだ。






僕にも味方がいたんだ。






そう実感することができた。







警察の松本さんもそんな風に動いてくれているって知らなかった。






 





でも・・・




僕には拭えない不安がある。




もし、捜査が進んで、万引き以外のことも明るみに出ることになったら。





お金をむしり取られたのはもちろん捜査してほしいけど。





いずれ僕が先輩たちにされたこともばれてしまうのだろうか?





 



呼び出されて、




衣服を剥ぎ取られて、




いたずらに写真を撮られたこと。







 


その写真をお兄ちゃんたちの前に曝け出されたら・・・




芸能人の蓮くんの弟がこんなふしだらな奴ってバレたら・・・








 


お兄ちゃんたちにきっと悲しい顔をさせてしまう。




それとも汚いって言って、また僕のことを嫌うだろうか。
 









 



 

考えるだけでゾっとする。







もうこれ以上、僕のことで迷惑も心配もかけたくない。






僕が何も言わなければ、そのまま何事もなかったように過ごせるだろうか。




 




 
先輩はあと数か月で卒業する。






二宮先生も僕のことを警察が嗅ぎまわっていると分かっているから




変に動いて、僕を脅したりしない気がする。




もしかしたらクスリのことをバラされるのが嫌だから異動するかもしれない。






 







 


そしたら解放される。




自由になれる。




もう少しの辛抱。




上手くやり過ごせば、




幸せな毎日が待ってるはず。




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作者名:ゆり | 作成日時:2022年9月1日 0時

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