歪んだ十字架６ (ページ49)

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ラウールside

　

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久々のわが家。

なんだか懐かしい感じがした。

記憶を取り戻していたから、事件のことやお兄ちゃんとのやり取りも全て思い出していた。

　

照にいも翔にいもいるから少し緊張したけど、

僕のことは無視って感じだった。

　

　

　

リビングに入ると、

ラウ「あっ・・・。」

棚の上に置かれている写真立てが全て片付けられていた。

僕が黒く塗りつぶされて、切り取られているたくさんの写真。

あれを見るたびに、僕はいつも辛かった。

そういうところから僕への思いやりを感じて、嬉しくなった。

　

涼太「家事はね、これからは分担してやろうってことになったよ。」

ラウ「いや・・・でも。」

辰哉「病み上がりのラウに無理させないから。」

亮平「勉強も俺が見てあげるからね。」

　
　

　

お兄ちゃんたちは俺らのせいで病気になったって思いが強いみたいで。

僕が過ごしやすいように、色々考えてくれてる姿が嬉しかった。

　

こう考えてみるとね。

お腹すごく痛かったけど。

嫌なことばかりじゃなかったよ。

お兄ちゃんと会話ができる。

目を見てくれる。

まだ、完全じゃないけど、家族として存在できる。

そんな日々が来るなんて、想像もしていなかったから。

久しぶりの感じに

とにかく嬉しかった。

　

どうなるかは分からないけど。

照にいや翔にいも少し怖いけど。

受け入れてくれるお兄ちゃんたちがいるから、頑張れるような気がしたんだ。

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