歪んだ十字架６ (ページ43)

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ラウールside

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少しずつ

少しずつ

　

あ、懐かしいなって思う程度に記憶を思い出してきて、

穏やかな日々を過ごしていた。

体もだいぶ良くなったから、退院することが決まった。

　

でも家に帰ったら、

僕のことが嫌いな照にいや翔にいがいるからどうしようって思っていたけど。

辰にいから蓮くんの家に住むってことを聞いて、ほっとした自分がいた。
　

　

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都内のビルが立ち並ぶ中に見えた立派なマンション。

一人暮らしには広すぎるはずなのに(笑)

物で溢れかえっていた。

　
　
　

ラウ「蓮くんさ・・・片付け苦手だよね(笑)」

蓮「あれ、バレた(笑)？」

　

そんなやり取りから始まって。

変わらない蓮くんの片づけの出来なささにちょっと呆れたけど、

そんな毎日からでもささやかな幸せを感じることができた。

　

　

蓮「はい、これラウの携帯。」

　

久しぶりに持った携帯。

ずっと家に置きっぱなしだったんだって。

蓮くんに「ないと不便だから。」って言われて。

わざわざ取ってきてくれた。

　

蓮「なんか体辛かったら連絡してよ。必ずね。」

ラウ「うん。ありがとう。」

　

　

　

　

この時、

すっかり忘れてたんだ。

僕のGPSを二宮先生は知っていることを。

　

今思うとね。

電源を入れた瞬間に、

おそらく二宮先生は僕を捕まえるために、

動き出したんだよね。

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