歪んだ十字架６ (ページ28)

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ラウールside

　

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滴る水滴。

もわっとした湯気に包まれる。

　

シャワーを流しながら、

鏡に映る自分の体をぼーっと眺めていた。

　

汚い体。

　

先輩たちから殴られるたびにできる痣は、

体中を埋め尽くしていた。

最近食欲もないから、体もガリガリで気持ち悪い。

　

洗っても、洗っても・・・

体に残った気持ち悪さは取れなくて。

お風呂に入るたびに段々と体を洗う時間が長くなる。

　

きれいになれば、元の自分に戻れるような気がして、

あの楽しかった頃に戻れる気がして。

　

もっときれいにしなきゃ。

汚れたものを全部、全部落とさなきゃ。

一度始めると止まらない。

皮膚が擦れて真っ赤なるまで、体を洗い続けた。

　

　

　

こんなバカげたことをしている自分に涙が出てくる。

どれだけきれいにしたって、

あの手が這う感触、

先輩達の僕を弄ぶ声は消えない。

　

　
ラウ「うっ・・・。」

涙が止まらなかった。

　

　

？「ラウ・・・？大丈夫？」

　

何となく康二にいの声がした気がした。

気のせいか。

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