歪んだ十字架６ (ページ27)

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ラウールside

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一度吐き出したら、止まらない咳。

ゴホゴホと血液が垂れる。

ラウ「ゴホっ・・・おぇ。」

早くなる呼吸。

口元を片手で押さえてもなかなか止まらない。

自分の咳の音で、廊下に人が通るのに気が付けなかった。

　

大介「大丈夫って・・・えっ？」

ふと顔をあげてみるとまさかの大にい。

びっくりした顔でこっちを見ている。

咄嗟に目が合いパニックになる。

突然の大にいの出現にかなり動揺していた。

　

ラウ「大丈夫。鼻血だから。」

大介「いや、え？ちょっと待って。」

　

明らかに鼻血じゃない。

誰が見ても分かること。

でも今は、とにかくこの場から居なくなりたかった。
　

・

吐いたことで、痛みは少し和らいでいた。

咄嗟に口元と洗面台を洗い流して、部屋に戻る。

　

　

パタン

　

心配かけたくない、ばれたくないって言うのもあるけど。

「大丈夫？」って気にかけてくれることがなんだか嬉しくて。

ベットの中でうずくまって、

気づいたら、

泣いていた。

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