歪んだ十字架６ (ページ13)

今日:13 hit、昨日:13 hit、合計:164,688 hit

―２２２― ページ13

ラウールside

・

すぐに駆け付けた警察の人。

学校名を聞かれて、電話をされて、

家にも電話をされて。

あれよあれよという間に人だかりができて、ガヤガヤと騒がしい。

　

やってしまったことへの罪悪感。

バレなければ良いと思っていた自分に後悔が押し寄せる。

お兄ちゃんたちになんて言えばいいだろう。

どうやって謝れば許してもらえるだろう。

　

朝ごはん作るのをサボって怒られたのに、また怒らせることをしてしまった。

　

　

警察の人と一緒に車に乗り、警察署に連れて行かれる。

待っている間はとにかく消えてしまいたかった。

　

急いで、駆けつけてきたのは会いたくないあの人。

二宮「すみません。担任の二宮です。この度は本当に申し訳ありませんでした。」

表向きは熱意のある先生。

優しく穏やかに見えて、真摯に生徒に向き合う人に見える。

　

一緒に部屋に入って事情を聞かれる。

僕のことを必死に許してもらおうと頭を下げたり、説明したり。

この時も表向きは本当に生徒のために尽くす先生だと思う。

　

だけど、裏の顔は・・・

二宮「てかさ、ヘタくそなんだね。」

警察の人がいなくなって、長椅子に座った途端に発せられた一言。

二宮「余計なこと言ったりしたらさ、写真ばらまくから(笑)」

　

　

僕脅して、先輩達に指示を出して、楽しんでいるのは紛れもなくこの人。

悪魔の顔をしたこの人は、ぴったりと横に座り、僕を脅し続けた。

きっと、この時、僕の顔は真っ青だったと思う。

・