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海side
急に泣き出したA。
ぼーっとしたまま涙だけが流れている。
前の俺なら抱き寄せられたのかな。
やり場のない手で拳を強く握る。
ただAの涙を見ることしか出来なかった。
ごめん、と頬を濡らしたまま笑ってAは教室に走って行った。
何もしてあげられなかった。
悲しさとやるせなさで廊下にしゃがみこむ。
俺達ってあんなに一緒にいたのに、こんなに簡単に離れてしまうほど薄い関係だったのか。
一気に今まで見てきたAの表情を思い出す。
笑った顔も泣いた顔も怒った顔も
強いAが俺だけに許して見せてくれた顔。
思い出せばきりがない。
側にいなくてもちょっとしたきっかけ1つでどれ程君を思い出すか。
やっぱり好きだ。
諦められないんだ。
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作者名：vivif18 | 作成日時：2017年5月26日 13時
