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Aside
隣に海がいないのが急に寂しくなった。
初めて一言も話さなかった。
胸にぽっかり穴が開いてしまったみたいで足取りも重い。
拓弥君が待っていてくれたのが分かった時、本当に嬉しかった。
初めて後輩と歩く通学路。
見慣れているはずなのにいつもと違う風景。
口数は少ないものの気まずい事は無く、隣を歩いてくれるだけで安心した。
拓弥君は少し考えた様子の後でおもむろに私の手を取った。
驚いて思わず引っ込めようとすると、強い力で握られる。
「俺、不安だったり悲しかったりした時に親にこうしてもらったんです。少し、落ち着きませんか?」
どうして分かるのだろう。
手の暖かさが心地よくて、家族と海以外に初めて甘えてしまった。
目が少し潤んだのがばれないようにずっと下を向いていた。
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作者名:vivif18 | 作成日時:2017年5月26日 13時