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ちゃらちゃらしてて ページ22

「え、あの、わたしは」

「A、挨拶はどうしたの?」

私の困惑を塞き止めるように、母さんは言った。
その顔には、乾いた笑みが張り付いていた。

恐怖を覚えながら、拙く笑いかける。

「っ、こ、こんにちは」

「初めて会った人には”初めまして”でしょ!!」

「はっ、初めまして…」大きな声に、びくりと肩が上下した。思わず深く頭を下げる。

「いいよ、そんなに緊張しなくても。家族だろ?」

「…………」

黒い絵の具に白が混ざり、薄くなるように、母さんの気は、男━━恭介さんによって少し収まったようだった。



でも私は、収まらなかった。
誰なの?この人。なんで??

この人と、今日から暮らすの?

前の………お父さんはどうなるの?


「まあとにかくさ、よろしくね。Aちゃん?」



恭介さんが私に笑いかけた。逆に、顔がひきつる。

「は、はい……」

威圧感がある訳ではないのに、強ばって動けない。


その私の目は、恭介さんの耳が、きらきらと光っているのを捉えた。


あれは……ピアス?



私はその当時、ピアスをしている人は悪い人だと、思っていた。ちゃらちゃらしてて、タバコを吸っている人。

悪い人。


むりだ。


この人とやっていけない気がする。

そう思ったが最後、私の暮らしは、次第に悪化していった。

******* *

「へぇ………Aちゃん、大変なおうちだったのね……」

ゲンは(うら)悲しそうに言った。「お父さんは結局どうだったの?」

その言葉に、私はさっきよりもずっと、膝を小さく丸めた。

「私は大嫌いだった。母さんとは違う系統の人。遊ぶのが大好きで、家に全然帰って来なかった」

というか、恭介さんと再婚してから、母さんも家に帰るのが遅くなっていた。

休日ももちろんいない。
気づいたら二日、三日いないこともあった。

最低限の食料はあった。多分、だからこそ私を置いていけたんだろう。

「そこまではよかった。いや、いい訳じゃないけど、耐えられた」

まだ私は前の父さんの子なんだ。例え母さんが嫌いでも、私は父さんの子だ。
そう強く思っていれば、うまくやれた。辛いことがあっても、父さんの事だけを考えた。


「だけ、ど」

「また何か、起こっちゃったんだね?」

頷く顔が震えた。

見開いた目の、焦点がぶれはじめた。

「…………Aちゃん……」

「おーいAー!!戻ったぞー!!」

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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (4月24日 22時) (レス) @page27 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年12月26日 8時

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