利害一致 ページ7
男は思う存分笑うと、息をついてまた話し始めた。
「近々、大きな戦いが起きるようで」
『なっ！？』
「僕も参加しないといけないようだ」
男の言葉が嘘かどうかも分からないが、気になる内容だったので耳を傾けることにした。
『けど、六道骸は今、牢獄の中じゃ』
「そうです。なので僕の代わりにこの娘を」
『お前！！また人を利用して！』
「違うの！！」
またこの男は人を利用するつもりなのか、それもこんな女の子を。ふざけたことを！！
そう思い声を荒らげると、女の子が初めて声を上げた。
「私が骸様の力になりたいの」
『マインドコントロール？』
「クフフ、残念ながら違いますよ」
操っている訳でもなさそうだ。
女の子はきちんと自分の意思で話している。
『君はそれでいいの？』
あの非情な男の道具になってしまってもいいの？
「骸様は私の大切な人だから」
『、、そう』
あの娘がそれでも望むなら私は止める事はできないけれど。
『けど、六道骸。貴方の頼みを聞くつもりはない』
「クフフ、困りましたねえ」
『他を頼りなよ』
「では、戦いの事は話さないということで」
『！！』
残念です、なんて白々しく言っているところが鼻につくが、どうしようか迷う。
ツナたちになにか起こるのか。
ここで知る機会があったのに逃してツナたちに何か起こっても恐い。
『内容次第ね。得るものがなければ受けない』
「ふん、まあいいでしょう」
『とりあえず話して』
男は戦いのことを話し始め、私は静かに耳を傾けた。
内容はよく理解出来ないところも多かったが、やはりツナが中心となって起こるようだ。
『で、貴方はツナたちのチームの霧の守護者？として参加するのね？』
「クフフ、そんなところですかね」
『ツナがボスかあ』
「今となっては貴女も沢田綱吉のファミリー。ならば貴女もなにか参加した方が良いのでは？」
『そりゃ一緒に戦いたいけど』
「そこでだ。この娘の面倒を見てくれる代わりに、戦闘を叩き込んであげますよ」
『！』
「強くなりたいのでしょう？」
『それは、そうだけど』
たしかに私は強くなりたい。
けど、この男に鍛えてもらうのは癪に障る。
「犬たちが直、黒曜に戻ります。面倒を見る代わりに貴方は戦いを覚える。お互いに利害は一致しているはずだ」
『、考えとく』
「クフフ、いい返事を待ってますよ」
男は満足げに頷くと女の子を連れて森の中へと去っていった。
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作者名：もんち | 作成日時：2016年9月11日 13時
