失踪 ページ37
『むふふ、、』
昨日はあれから少しして家に帰った。
もう、自分が幸せ過ぎてどうにかなってしまいそうだ。
久しぶりに腕を通した学ランに胸を高鳴らせながら教室へと急ぐ。途中風紀委員の人達におかえり、と言ってもらえて泣きそうになったのは秘密だ。
『ツナーっ！』
「おはよう樹、ってその格好！」
「はよーっ！おっ樹、遂に復帰か？」
『えへへ、そうなんだ！』
「けっ、またおめーのつまんねぇ自慢話聞かされなきゃなんねーのかよ」
『またそんなこと言って！リボーン君に聞いてんだからな？獄寺が雲雀さんに怒ってくれたこと！』
「なっ！！あれはちげぇ！」
「あはは！獄寺顔真っ赤だぜ？」
「おめーは黙ってろ野球バカ！！」
あははっ、と獄寺を除いた3人で笑う。この間まで戦いがあったのでこうやって4人で話して遊んで笑うのも久しぶりのことで、何気ないことがとても幸せに感じた。
そして放課後は応接室で風紀活動に勤しむ。
これからは暫くまたこんな毎日が続くと思っていた。
けど、時は非情にも私達を待ってはくれなかった。
次の日、ツナと獄寺を始め山本に京子ちゃん、ハルちゃんやランボくんたちが急に姿を消したのだ。
夕方、笹川先輩が応接室に乗り込んできて｢京子が家に帰ってこんのだーー！！お前達何か知らんか！！｣と叫んだのをきっかけに身辺を調査するとツナたちも姿を消していることが分かったのだ。謎の失踪に雲雀さんも只事ではないと感じたのか風紀委員のみんなで捜索に出た。
『ツナーっ！京子ちゃーん！返事してー！』
私は風紀の人、数人と並盛神社の方へ探しに来た。周囲に声をかけるが返答はなくここには誰も居ないようだ。本当、どこへ行ってしまったのだろう、、。
ツナたちはともかく京子ちゃんやハルちゃんは女の子だ。危険な目に遭ってはいないか心配で仕方がない。気休めにでも、と神様にも頼むことにした。
『どうかみんなが見つかりますように、』
お賽銭を投げ入れて神様に手を合わせて願う。こんなことでみんなが見つかるなら何度でも私は祈るよ。
「！危ない樹！」
『え？』
突然の声に目を開け振り返ると同時に何かが当たり目の前が真っ白になった。そしてどこかへと吸い込まれるように落ちていった。
何が起きているのこれは？！
この時の私は10年後に飛ばされるなんて思いもしていなかった。
*****
「会いたかった、A」
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作者名：もんち | 作成日時：2016年9月11日 13時
