再び ページ35
雲雀さんに挑まれてから30分くらいたっただろうか。
攻撃を避けては仕掛け避ける、と相手の動きに着いていくのが精一杯で防戦気味になりながらも隙をみては自分も攻撃を仕掛けていたが。
「遅い」
見事に避けられてしまう。
雲雀さんに対して懐に潜ませている拳銃はなるべく使いたくはない。かといってこの身一つで雲雀さんを倒すことはなかなかできない。どうするべきかと悶々と考えながら避けていたら遂に足を滑らせて仰向けに転んでしまった。
雲雀さんはそのまま近づいてくるとぐい、と体を折って顔を近づけてきた。近い、非常に近いです。雲雀さん。
「ねえ君、いつの間にこんなもの持っていたの」
雲雀さんは私を見つめて言うと、学ランの中に手を入れ込んできた。
『あっ！』
「、、しかも実弾入りだ」
雲雀さんは私の懐に潜ませていた拳銃を手にし弾の確認をするなりしかめっ面をして遠くへ放り投げた。ガシャン、と落ち確かに壊れたのだがすぐにまた構築され元に戻る。クローム、腕上げたな。
「、、あれはどういうこと」
『あの、壊れても元に戻る拳銃のこと？』
他に何があるの。と呆れた顔で言われたが依然として視線は私を捉えて離さない。
『あれは、クロームが造ってくれた私の武器』
「誰それ」
『黒曜の、六道骸の一味の1人。可愛い女の子』
ピクリ、と雲雀さんの眉が動いたのを私は見逃さなかった。やばい、地雷踏んだか。
「なんで君がそんなやつの物を持っている？」
『私を鍛えてくれたのが彼女達で、私に合う武器を模索して持たせてくれたの』
「、、いらない。君はこれでいいよ」
ぐい、と今まで手にしていたトンファーを私に押し付けると｢あげる｣と一言。
まさかの行動に驚いてこんな大切なものもらえない、と返そうと立ち上がると反動でもう1丁派手な音を立てて落としてしまった。
「、、」
雲雀さんの目が据わっている。やばい。ここで返そうものなら私に明日はこないだろう。
『あ、あはは、、あ！トンファー！ありがとうございます！！』
「なに笑ってるの。笑いごとじゃないんだけど」
『す、すみません、、』
「、、もう無いよね？」
『え？』
その後、まだ身につけているものはないかと雲雀さんの検査を執拗に受け満足のいくまで調べられた。
『、、もうお嫁にいけない』
「君のなんて見たことあるんだから今更どうってこともないだろ」
『まだ覚えてるんですかそれ？！』
「敬語」
『くっ、、！』
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作者名：もんち | 作成日時：2016年9月11日 13時
