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傷跡【リング編】 ページ19

「クフフ、随分と質素な部屋で生活しているようで」

『失礼な、過ごしやすいからいいの』

「まるで男の部屋みたいですね」

『何しに来たの。クロームは?』

「クフフフ、クロームなら大丈夫ですよ。それより、クロームだけではなく犬たちの面倒まで見てくれてありがとうございます」

『お礼を言われる程のことはしてない』

「そんなことはありませんよ、なにより犬たちが楽しそうだ」


満足気にクロームの顔で微笑んでいるので、普段のクロームからは見れない珍しい表情に少し見とれてしまう。

クロームはそのまま私に近づいてくると、突然服をめくりあげてきた。


『わ!や、やめろ!』

「やはり、残ってしまいましたね」

『は、?』


愛おしそうに眺めているその先を見ると、それはあの黒曜ランドで雲雀さんを庇った時にお腹を刺されて負った傷跡だった。

傷は癒えたが跡が残ってしまい薄くはなっても消えることはないと言われていた。

これがどうしたというのだろう。


『わかったから、どいて』

「クフフ、このままこの雲雀恭弥の部屋で貴女を食べるのも一興ですが明日に支障が出てしまっては、いけませんねえ」

『冗談はいい』

「霧戦の後、雲雀恭弥の番です」

『!』

「雲雀恭弥が戦った後、最後の戦いとなる大空の、沢田綱吉の戦いがあります。そこで貴女に連れてきて欲しい人物がいるのですが、行けますね?」

『、、言い方が癪に障るけどそれはツナたちの助けになるのね?』

「クフフ、はい。大事な役割です。貴女にしか頼めない」

『分かった。だからどいて』

「頼みましたよ」


クフフ、と静かに笑いながらを瞳を閉じるとそのまま倒れ込んできた。どうやら気を失っているようで、クロームに体を返し自分の体へと戻ったんだろう。

もう夜も遅いので起こして帰すのも可哀想なのでベッドに運んで泊まってもらうことにした。自分はソファへと寝転ぶ。


明日はクロームを犬たちと一緒に連れてって、あわよくば戦いを観させてもらって、、雲雀さんの戦いもみたいな。

大空戦は、最後あたりに駆けつけることになりそうだな。


色々考えていたが、眠気には逆らえずそのまま眠ってしまっていたようで。

朝、クロームに起こされてあのまま眠ったことに気づいた。



『クロームおはよ』

「おはよう、」

『今日、頑張ってね。みんなで応援してるから』

「!うん、、」


今夜は、霧戦。

****

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作者名:もんち | 作成日時:2016年9月11日 13時

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