役目【リング編】 ページ11
もうダメかと思った時、金髪のお兄さんがスーツの男の人たちを連れて現れた。
どうやらツナの知り合いのようで助けてもらえそうだ。
「お前をここでぶっ殺すのも悪くない。だが同盟ファミリーとやりあったとなると上がうるせえ。今日のところは大人しく」
男は剣を下ろし退いたかと思ったが。
「帰るわきゃねぇぞぉ！！」
「ぎゃっ」
『ツナ！！』
ツナが男に髪を掴まれそのまま持ち上げられると、金髪のお兄さんが助けに入ったが放たれた火薬と相打ちになり周りに煙が篭ってしまい姿が見えなくなってしまった。
「お前達！大丈夫か！」
右方向でお兄さんの声がする。ツナたちは大丈夫そうだ。
『っけほ』
「おいてめぇ」
『！！』
目の前の煙から銀髪の男が現れると、男はそのまま顎を掴み、顔を上へと向かせた。
「お前の顔しっかり覚えたぜぇ」
『は、なせ！』
「後でさばきにきてやるからそれまでに鍛えとけぇ」
男は楽しそうに口元を上げると、｢またなぁ｣と煙の中へと去っていった。
『く、』
煙を吸いすぎたのか意識が朦朧として、そのまま倒れてしまった。
どれ程、時間が経ったのか。
次に目を覚ましたのは知らないベットの上だった。
「おっ、起きたか！」
『、、誰？』
どうやら側に誰か居たようで、身構えると笑いながら｢そう構えるな｣と両手を上げ攻撃をする意はないと示してきた。
「俺は沢田家光。ツナの親父だ！」
『！ツナの？！』
「ああ、昨日はせがれが世話になったな」
『なんてことないですよ！それより昨日って、今、何時ですか？』
「朝の10時だな！」
『！やばい学校！』
「安心しろ！休みとっといたからよ」
『あ、ありがとうございます』
ずっとニコニコしながら話してくれる姿を見ていたらどこか太陽のような明るさを持った人だな、と思った。
「実はな、君に頼みたいことがあるんだ」
『？はい』
「もう既に会っているだろうが、霧の守護者の面倒を見てやって欲しい」
『霧の守護者、、？』
霧の守護者、と聞いて六道骸との夢でのやりとりを思い出す。
『六道骸？』
「ああ！そうだ」
『分かりました』
「！！いいのか？！」
『はい。借りもあるので』
「ありがとう。これで安心して他を見に行ける」
『みんな、守護者に選ばれたんですよね』
「ああ」
『僕は僕の役目を果たします』
「ツナたちを、よろしくな」
『はい』
私は私のできることを。
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作者名：もんち | 作成日時：2016年9月11日 13時
