激怒 "ツナside" ページ2
『先、行くね』
力なく笑った樹はそのまま行ってしまった。
昨日退院したとリボーンに聞いてから明日会えるの楽しみにしてたんだけど、なにがあったんだろう。
制服が俺らと同じブレザーなのもいつも嬉しそうに見せてくる風紀の腕章がないのも樹の元気がないのに関係しているのだろうか。
「樹、雲雀さんとなんかあったのかな？」
「腕章、付けてませんでしたね」
「いっつも嬉しそうに付けてんのになー」
獄寺くんたちも樹の様子がおかしいと気づいてるみたいだ。
なにがあったんだろう。
「あっ、草壁さん！」
「沢田綱吉？」
視界の端に形が整ったリーゼントが目に入り見ると草壁さんだった。
草壁さんなら分かるかな。
「あの、雲雀さんと樹ってなんかあったんですか？」
「、それは」
「なにやってるの」
「！！雲雀さん！」
草壁さんが気まずそうに口を開いたと思えば後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「ねえ、副委員長。見回りするように言ったはずだけど」
「すっすみません委員長！！」
草壁さんは青ざめながら走ってどこかへと行ってしまった。
雲雀さんはそれを見届けるとこちらに向き直って口を開いた。
「君たちも群れてないで早く学校に行きなよ」
「えっ、あ、はい、、」
「おい、雲雀。樹どうなってんだよ」
「獄寺くん！」
「アイツ、なんで元気ないんだよ。お前がなんかしたんじゃねえのか」
「ふん、君たちには関係ないことだよ」
「テメエ！」
「獄寺くん！！ひ、雲雀さん何があったのか教えてもらえませんか？」
「俺も知りてーのな」
「はあ。草壁樹に風紀を抜けてもらっただけだ」
「なっ！なんで！！」
「弱いやつは風紀委員会に必要ない」
「テメェ！！！あいつがどんだけ風紀が好きだったか知らねえことはねえだろ！！」
「いっつも嬉しそうになあ！"風紀委員会にいれて良かった"って！！楽しいって！言ってんのに！！」
「獄寺くん落ち着いて！」
こんなに取り乱す獄寺くんは初めて見たかもしれない。
何事かと周りの人がざわつき始める。
雲雀さんは不愉快そうに獄寺くんを見ると「これ以上騒ぐと咬み殺す」とトンファーを出してきた。
「獄寺、落ち着けって」
山本が後ろから獄寺くんを掴んで止めるが、ずっと雲雀さんを睨み続けてる。
「そこまでだ」
「！リボーン」
この時ばかりはリボーンが輝いてみえたのは言うまでもない。
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作者名：もんち | 作成日時：2016年9月11日 13時
