制服 ページ1
『、、はあ、学校行きたくないなあ』
あれから、ご飯も喉が通らずそのままお風呂に入って寝ようとしたが一睡もできなかった。
着替えないと、と思い、寝室のタンスに向かうと見慣れない袋が上に置いてあった。
『なんだろう、これ』
中身を見てみるとそれは並盛のブレザーの方の制服だった。
そうか、風紀委員の人たちだけ学ラン着るんだっけ？風紀委員ではなくなった私は学ランも着てはいけないのか。
きちんと洗濯までされていて着てみるとサイズがこれまたぴったりでこういう所が憎たらしく思う。
捨てたんなら、こんなことしてくれなくていいのに。
いっそこの部屋から追い出してくれていいのに。
まあ、行く宛なんてないけど。
『これからどうすればいいんだろ、、』
雲雀さん中心の生活を送っていた自分にはこれからどう過ごせばいいのか分からなくなっていた。
とぼとぼと歩く通学路。
学校に近づくにつれて重くなる足。
もう、今日はどこかでサボっちゃおっかなあ。
「樹？」
『、ん？』
誰かに呼ばれ振り向けばツナと獄寺と山本が立っていた。
「やっぱり！もう体調いいの？」
『うん、昨日退院した』
「けっ、そんなもやしみてーな体してっから回復がおせーんだよ！」
「まあまあ！良くなったんだからいいじゃねえか！」
「その制服も似合ってるね！」
『ふ、そう？』
「うっ、うん、、」
ごめん、ツナ。今はその言葉嬉しくないや。
あまりうまく笑えなかったけど先に行くと伝えてまた学校に向かった。
今は、1人になりたい。
学校に着くなり教室によらずに保健室に直行した。
『失礼します』
「んあ？どうした」
『体調悪いので休ませてもらっていいですか？』
「男に貸したくはないが、リボーンから言われてるからな。好きなだけ使ってけ」
『ありがと、先生』
「おら、さっさと寝ちまえ」
シャマル先生はしっしっ、と手を払うと、どこかへ行ってしまった。
じゃ、遠慮なく寝させてもらおう。
『記憶のこと話しそびれちゃったな』
雲雀さんに1番初めに話そうと思っていたのに。
雲雀さんがくれた樹って名前もいいけど、本当の名前で、呼んで欲しかったな。
考えだしたら止まらなくなりそうで怖かったから、考えるのはやめた。
白い天井をぼーっと見ていたら段々眠たくなってきて、いつの間にか眠っていた。
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作者名：もんち | 作成日時：2016年9月11日 13時
