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〜貴方side〜
その後、私は気を失ってしまったようで気がついたら病室の中で全てが終わっていた。
火影様は大蛇丸との戦闘で死亡。
葬儀は雨の中ひっそりと行われた。
そして今、私はふらふらと里内を散策しながらぼうっと青い空を見上げて…
貴(私、中忍試験と言い我愛羅との戦いと言い…何も役に立てなかった…)
どうしようも無い無力感に苛まれていた。
貴(やることなすこと全て中途半端で…結局は他力本願…もっと強ければサクラは盾にならずに済んだしサスケにも無理はさせなかったしナルトに頼りっぱなしにはならなかった筈…)
しかし強くなると言ってもどうすれば…と考えたところでふと大蛇丸の顔が浮かびぶんぶんと慌てて首を振った。
貴(何を考えておるのだ私は!!あんな奴に頼らずとも、私は強くなる!!……だけど、時間は待ってなどくれない…)
はぁ…と澄み渡る青空に似つかわしくない重い溜息が零れて、そっと目を閉じた瞬間。
チリン……
?「大きくなられましたね、姫様」
貴「!!!!」
鈴の音と共に耳元で囁かれた言葉に、驚いて目を開く。
ばっと振り返るものの、人が多すぎて誰が言ったのかなど分からない。
貴(それに今の声…篝に似ていた…)
バクバクと全身が心臓になってしまったように煩い。
まさか、そんな、いやでももし本当に篝なら…
チリン……
貴(!!またさっきの鈴の音が!どこだ!!)
今度は見逃すまいと必死に目を凝らすと、笠を深く被り、特徴的な雲の模様が刺繍された黒い羽織を身にまとった怪しげな男からその音色は出ているようだ。
気づいた瞬間、考えるよりも先に足が動いていた。
男は足早に人混みを避けると、角を曲がってしまう。
貴(見逃してなるものか!!もしかしたら、篝なのかもしれないのに!!)
必死に追いかける。
本当に篝だったのなら。
沢山謝って
沢山泣きついて
沢山褒めてもらいたい。
それから2人でまたあの頃みたいに…。
その時、男は笠からふわりと髪が風に煽られて靡く。
その髪色は、優しい白絹のようで。
篝と、同じ髪をしていた。
貴「篝……篝!!!」
心の底から悲鳴を上げるような声でかの人を呼んだ。
男が再び角を曲がる。私もすぐさま角を曲がるが、もうそこにあの男の姿は見当たらなかった。
貴「あ…」
いつの間にか人の気配のない森の傍の道で1人、息を切らした私だけ。
それが余計に私の心を虚しくさせた。
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ミコト(プロフ) - すごく好きな話です!更新大変かもしれないですが、頑張ってください!! (2019年8月11日 0時) (レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
カメ系腐女子 - めっちゃいいやん!続きが気になります!更新頑張ってください!!評価させてもらいます!ログインしてないのでお気に入り登録は出来ないんですが、評価とコメントはさせていただきます! (2019年6月23日 20時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
おふ豚(プロフ) - エシルさん» ありがとうございます!あ〜よかったです!そう言っていただけるのが本当に嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年5月22日 20時) (レス) id: f11330c0ee (このIDを非表示/違反報告)
エシル(プロフ) - 小説読みました!凄く面白かったです! (2019年5月22日 19時) (レス) id: 2e63a126ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おふ豚 | 作成日時:2019年5月22日 11時