月明かりの道標【NARUTO】 (ページ25)

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～貴女side～

ｻｸ「ちょっと！！何してるの！？」

そう言うと、そのままずんずんとこちらへ向かってきて、ガシリッと私の両肩を掴んだ。

貴「ヒッ」

ｻｸ「すごい綺麗な顔なのに髪の毛で隠しちゃ勿体ないじゃない！」

サクラさんはどこからともなく櫛を出すと、ささっと私の髪を綺麗に整える。

ｻｸ「ほら！！顔隠さないほうがすっごい可愛いわよ！」

貴「え、あ、その」

ｻｸ「ねぇ、皆もこっちの方がいいわよね！」

ほらほら、とサクラさんは私の背を押して皆の前に出させる。

ナルトやサスケはともかく、タズナさんやカカシ先生までもがポカンとこちらを見つめていた。

ナ(めちゃくちゃ可愛いってばよ・・・)

ｻｽ(・・・///)

貴「その、あまり見つめないでくれますか・・・」

貴(こんな道中でもし再不斬たちのようにまた刺客がやってきたら・・・。バレたらそれこそ終わりだ！！)

ぎゅっと目をつぶり、下に俯く。

バクバクと心臓がうるさい。

カタカタと微かに体が震えるのがわかった。

ポンッ

誰かが頭を撫でてくる。

恐る恐る見上げると、カカシ先生がニコリと笑った。

カ「唯はペットじゃないんだから、皆そんなに見つめちゃ本人だって戸惑うよ」

タ「皆疲れただろう！ワシの家でゆっくりしていけ！」

カ「タズナさんもそう言ってることだし、ほら行った行った」

先生の言葉を皮切りに、依然として未だ不満げではあるものの、「はーい」と返事をしてタズナさんを連れた3人は歩き始めた。

貴「あ、あの先生・・・ありがとうございまっ・・・！！？」

お礼を言おうと先生の顔を見ると、先生はふらりとこちらへ倒れてきた。

咄嗟に支えようとしたものの、女子供一人の力・・・ましてや先程の戦いでチャクラ切れを起こしてしまった体では流石に耐えきれず、2人してバタリッと地面に倒れた。

カ「わ、悪いね・・・」

貴「い、いえ」

その音で振り返った皆が口々に「ロリコン教師！」だの「キャーッ大胆！」だの好き勝手言っている。

終いには「カカシ先生が唯を襲ってる！！」とナルトが悲鳴をあげたのを聞いた先生がボソリと「後で覚えてろよ・・・」と呟いた。