月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ21)

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～サクラside～

担当上忍を待つこと数時間。

いつまで経っても来ない先生にだんだんと痺れが切れてくる。

ｻｸ(しゃんなろー！！)

近くにサスケくんがいるから必死に表情を繕うものの、内心はまだ見ぬ上忍をボコボコにぶちのめしたいほど荒れていた。

あ、そうそう。

さっきサスケ君に酷いことを言いかけたことを素直に謝ったら、許してくれたのよね！

しかも、「別に」ってクールに言ったあと、無かったように振舞ってくれて、あんな失礼なこといったのに本当に優しいんだから！ってさらに惚れ直しちゃった！

ｻｸ(唯さんにもお礼言わなくちゃ・・・)

彼女の姿を探すと、唯さんは後ろの席の窓際でスヤスヤと気持ちよさそうに眠っていた。

・・・瓶底メガネのおかげで表情まではわからないけども。

ｻｸ(まぁ、あんな気持ちよさそうに眠っていたら、起こそうとも思えないわね・・・。お礼はあとででもいっか)

そんな時、ナルトがドアの方で何やらガタガタしているのが視界に入る。

ｻｸ「ちょっと、何やってんのよナルト！」

慌てて止めに入るがナルトは気にせず「遅刻する方が悪いんだってばよ！」と笑って、黒板消しをドアに挟んだ。

ｻｸ「ったくもー！私知らないからね！」

窘めながらぷいっとそっぽを向くが、本当はそういうのが好きだからちょっとワクワクしてしまう。

そして暫くすると・・・。

ガラッ

バフッ

教室に入ってきた、恐らく私たちの先生になる人は見事にトラップに引っかかった。

ナ「きゃははははっ！引っかかった引っかかった！」

ｻｸ「先生ごめんなさい。私は止めたんですがナルト君が・・・」

ｻｸ(OKOK！！読み通りのベタなオチー！！)

ｻｽ(・・・これで本当に上忍か？)

先生は頭に被ったチョークの粉を軽くはたいて落とすと、「んー」と唸った。

カ「なんて言うのかな？お前らの第一印象は・・・嫌いだ！」

笑いながら言われたその一言で、教室の空気が一気にずーんと重くなる。

そんなとき、後ろの方から「うう・・・」と呻き声が聞こえた。

全員の視線が後ろの唯さんに向かう。

彼女はこんな騒ぎを我関せずと言うかのように眠りこけていた。

カ「しかも1人は熟睡中。・・・ほら、起きる」

先生が呆れながら唯さんのところに行き、起こそうと手を伸ばす。

貴「！！！！」

パシンッ

子気味良い音が静かな教室に響いた。