月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ16)

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～貴女side～

貴(お、思い出したぞ！！！)

わなわなと全身が震える。

貴(私が昔、木の葉に来た時に醜態を晒してしまった人ではないか！！！)

カ「おーい、どうしたの？」

偶然ぶつかってしまった子供が、顔を凝視しているのだ。当然不思議そうな声がかかる。

その言葉に、思い出の底からようやく我に帰ることが出来た。

貴「い、いえ。忍者学校では見かけない方だと思い・・・」

カ「まーそりゃそうね」

貴(！そ、そうか・・・。今は昔と似ても似つかぬ格好だから気づかなくても無理はないのか)

いや気が付かなくていいのだが、と心の中で付け加える。

カ「今年忍者学校卒業する子？」

貴「は、はい！新しく下忍になりました！」

カ「ふーん、そっか。・・・ま、頑張んなさいな」

そう言うと、ポンッと頭に手を置いて、そのまま去っていった。

貴(見た目や口調こそ変われど、その手の温かさは昔と全然変わらないのだな)

何となく嬉しい気持ちになり、思わずふっと笑みがもれる。

貴(・・・頑張ろう)

貴「よし！もう一度、班員を探してみますか！」

そう意気込んで、タッと軽やかに廊下を駆けて行った。