月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ15)

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～貴女side～

ポロポロポロ

貴「あれ・・・、なんで・・・？」

何たる無様なことか。

慌てて拭うも涙は雨のように止まる気配はない。

貴(こんな、こんな所で泣いては面目丸潰れじゃ！！！早く泣き止まないと・・・！！！)

もし、後泣いていたことが後々従者たちにバレて閉まったら、「駄々をこねなさるな」とかと呆れられるに違いない！！

失望されるかもしれない・・・！そうなってしまったら、私は・・・、私は！！

ポンッ

ナデナデ

貴「！！」

頭に手を置かれ、撫でられる。

驚きのあまり目を見開いて咄嗟に顔を上げると、戸惑った様子でお面の男がぎこちない動きで撫でていた。

お面の男「他国の者が口出しするような事じゃないですし詳しい事情はわかりませんが・・・あんまり無理しなくてもいいのでは？」

貴「・・・！」

男に言われた言葉で、はっと我に返る。

貴「・・・そうか、私は・・・無理をしていたのか・・・」

早く認められたい。

その一心で、物心ついたときから遊びもせずにひたすら毎日努力し続けていた。

だが、いつまで経っても自分は名前だけの当主。

大人達には人形扱い。

悪循環に嵌ってしまい、自分でも知らぬ間にゆっくりと自らの首を絞めていたことに初めて気が付く。

顔も名も知らぬ男に言われた言葉が妙に胸にストンと落ちた。

貴「お主、名はなんという？」

名前を問うと、男は暫く逡巡したのちそっと答える。

お面の男「・・・はたけカカシです」

貴「そうか、カカシか・・・。良い名じゃの」

カカシの顔を見て、ニコリと微笑んだ。