月明かりの幻想【NARUTO】 (ページ13)

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～貴女side～

昼休みになり、折角だし新しい班員の皆でご飯でも食べようかなと思い顔を上げると、

貴「い、いない・・・」

教室にはまだちらほらと人が残っているにも関わらず、ナルトやサスケさん、サクラさんまでもが姿を消していた。

貴(は、ハブられたとかじゃないよね！！？)

仕方ない、それなら別の人と食べようかとちらりとヒナタを見ると、もう既に新しい班員たちと少しずつ打ち解けているのか、少し戸惑いながらも嬉しそうに話しているようだ。

貴(邪魔しても悪いか・・・。1人で食べよう)

少し重たい足取りで教室を出る。

貴「まさか初日からぼっち飯とやらを体験することになるとは・・・。いや、私が沢山友達を作らなかったのが悪いのか・・・。でもだからといって、だからといって～！！」

はたから見たら、1人で騒ぐ痛いやつなのだろうが今はそれどころではない。私だって心が痛い！！！！

貴「・・・はぁ」

ドンッ！！

貴「っ！」

顔を俯かせて歩いていると角を曲がった際に誰かとぶつかってしまい、尻もちをついてしまった。

貴「す、すみませんでした。私の前方不注意です・・・」

ぶつかってしまった相手にすぐさま謝ると、向こうの方も「んー大丈夫よ」とのんびりとした口調で告げて、手を差し伸べてくる。

貴「あっ、ありがとうございます、」

その手を掴むと、ぐいと引っ張られ起き上がらせてくれた。
そこでようやく、相手の顔をまともに見ると、

貴「！」

白銀の髪に、片方の瞳だけ隠すように顔面を覆う額当て、それからマスクをつけている男。

貴「あなたは・・・」

私は、この人を知っている。

遠い日の記憶が、ちりちりと脳裏を蝕んだ。