◇ ページ35
「うーん……そうだね、」
「歯切れ悪いなあ」
「お前が言うか」
「ジャック」
「ああ、ごめん！ はっきり言うから！！」
Aとジャックが突然会話を始めたので、彼女も少し慌てて仲裁に入った。こういう所は本当によく出来ているというか、鼻につくというか。
「別の人みたいなの。知らない人と話す事が多くて、それもすごく怖そうな人」
「ふーん……」
ヤクザ的な？ とつまらなさそうに聞いてみると、彼女は首を横に振った。信じてもらえるかはわからないけど、と付け加えて。
「なんだか、動物っぽい人たち……」
固まった。
今日何回目だろう、この硬直する感じ。ジャックも聞き耳を立ててるだろう。何か言わないと行けないのに、何も出てこない。
怖い。
喉の軌道が突然締まるような感覚。
怖い。
散々動物に姿を変える化け物に狙われているのに。
怖い。
それが自分ととても近い場所にいる、親族と接触していることが！！
「どうぶつ、かあ、」
絞り出したそれは、とてつもなくおかしいイントネーションだった。だが彼女はその動揺には特に触れることなく「そうなの」と短い同意を示す。
「お母さんも変なの、ここ最近が特に……変なもの食べてたり、変なところうろうろしたり、よくわかんない事言ってたり」
だんだん話を聞くのが怖くなってきた。
だから、それはトドメだったのだ。
「よく分からないことをたまに言うの、でも昨日、おかしなことを言った後、私に──『Aは？』って聞いてきて」
変な悲鳴が出た。身体がびくっと飛び上がって、思わずジャックの腕に抱き着きそうになる。いや抱き着いた。乱雑にべりっと剥がされてしまったけれど。でも本当に怖かったのだ。なんなんだこの恐怖体験は、と。なぜ自分が、と。
「だからお姉ちゃんなら何か知ってるのかなって……」
「……う、う」
言葉が上手く出ない。怖い。ガタガタ震えているのを見て流石に彼女も困惑し始めてAを見はじめた。ジャックがため息ひとつ吐き、話を代わりに繋げ始める。
「おかしなことを言うとか言ってたが、例えばどんな事だ？」
「え、うーん……。分からなさすぎて、こうして何を言ってたか復唱しようとすると難しいものね」顔に手を当てる彼女。整った眉を下げて、そしてぼそりと言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ONEPIECE」関連の作品
【ONE PIECE】海が綺麗ですね II【トラファルガー・ロー】
【ONE PIECE】ハートの海賊団の�狎篝い糧�女�瓠撻肇薀侫．襯�ー・ロー】��
その美術商、軟派。【ONE PIECE】��
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まっさ(プロフ) - 貴方様の小説でどんどんマイナーにハマってしまいます。ディアマンテのも最高でした。供給が少ないのは悲しいですが、少しずつ増えていくことを願っております。 (2020年11月9日 17時) (
レス) id: f7179f55a7 (このIDを非表示/違反報告)
びぃ(プロフ) - まっささん» わわわ……！このような偏狭の作品までようこそお越しくださいました。そして閲覧ありがとうございます！今までにない誰かの、ありそうで無かった世界のお話をこれからも是非のんびり楽しんで貰えたらと思います！！ (2020年11月9日 17時) (レス) id: 1463c1385c (このIDを非表示/違反報告)
まっさ(プロフ) - 珍しいと思い開いてみたら、これはやばい。ハマりました。更新を楽しみにしております。 (2020年11月9日 17時) (レス) id: f7179f55a7 (このIDを非表示/違反報告)
OSO(プロフ) - びぃさん» はるか前から愛してますっっっっ！！！！！！ (2020年10月22日 23時) (レス) id: 4e9a925863 (このIDを非表示/違反報告)
びぃ(プロフ) - OSOさん» コメントありがとうございます、実は私もはるか昔から貴方が好きでした…… (2020年10月22日 23時) (レス) id: 1463c1385c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：びぃ | 作成日時：2020年10月21日 13時
