◇ ページ33
「おじゃまします」
そう家にあげた彼女は礼儀正しく口を揃え、ぱたぱたと奥に行く。ああ、ジャックのことなんて説明しようとAの頭の中はそればかりだった。ボディーガードは変だし、彼氏も違うし、なんか違和感が付き纏う。そこら辺でたまたま出会った人……は怪しいしなと頭痛がして来た。
「あっ、こんにちは」
彼女がジャックに気付いて、少しびっくりする。それもそうだ、ジャックは本当に大きいのだから。2mくらいあると言っても言いすぎてはないとさえ思う。少し驚いたようだが、それでも挨拶をするのは彼女がしっかりしているからか。
「(ああ……お願いジャック変な事言って混乱させないでよ……)」と願う。願ってはいるのに彼女はジャックの向かい側に座ると、愛想の良い笑顔を見せて名前を名乗る。そしてAの妹であるという説明もした。
いつものジャックなら「くだらねェ」とか「話しかけるな」とか「馴れ馴れしいんだよ」とか言いそうで、そわそわが止まらない。妹が「お姉ちゃんとはどういう関係ですか？」とずばっと切り込んだのを見て「こいつ聞きやがった」と本気で卒倒しそうになった。さっきAが返事を濁したので気になっていたに違いない。
利害の一致した関係だ、とか言い始めたらどうしようと不安になるAを他所に、ジャックはいつもの少し気だるそうな顔のままじっと妹を見つめ、少し間を開けてから口を開いた。
「……”知り合い”だ」
「知り合いですか？」
「ああ、知り合いだな」
知り合い。いい所に着地したなあとAは少し感心した。だがジャックの返答もなんか迷走気味というか、手探り感があるなあと思う。二度確認するように、言い聞かせるように知り合いだと言ったのも、Aに「この設定でいくからな」と言い聞かせているようにも捉えれた。
「趣味があったんだ」
「なんの趣味ですか？ あ、いえいえ。お姉ちゃんって凄く趣味がある人だったから」
何かを探るように聞いてくる彼女に、流石にジャックも片眉を動かした。ああ、お願いだから離れてよと間に割って入ろうとさえAは思った。ジャックはまた少し考えるように間を開けると「ゲームだ」と応えてつまらなさそうに目を逸らした。
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まっさ(プロフ) - 貴方様の小説でどんどんマイナーにハマってしまいます。ディアマンテのも最高でした。供給が少ないのは悲しいですが、少しずつ増えていくことを願っております。 (2020年11月9日 17時) (
レス) id: f7179f55a7 (このIDを非表示/違反報告)
びぃ(プロフ) - まっささん» わわわ……！このような偏狭の作品までようこそお越しくださいました。そして閲覧ありがとうございます！今までにない誰かの、ありそうで無かった世界のお話をこれからも是非のんびり楽しんで貰えたらと思います！！ (2020年11月9日 17時) (レス) id: 1463c1385c (このIDを非表示/違反報告)
まっさ(プロフ) - 珍しいと思い開いてみたら、これはやばい。ハマりました。更新を楽しみにしております。 (2020年11月9日 17時) (レス) id: f7179f55a7 (このIDを非表示/違反報告)
OSO(プロフ) - びぃさん» はるか前から愛してますっっっっ！！！！！！ (2020年10月22日 23時) (レス) id: 4e9a925863 (このIDを非表示/違反報告)
びぃ(プロフ) - OSOさん» コメントありがとうございます、実は私もはるか昔から貴方が好きでした…… (2020年10月22日 23時) (レス) id: 1463c1385c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：びぃ | 作成日時：2020年10月21日 13時
