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太田「また私に犯罪をしろと?」
『犯罪じゃない、国防』
国防…?と太田さんが首を傾げる。ぐるりと部屋中を見渡して怪訝そうに眉を顰めた。
黒須「今度は君の類い稀な力を国を救うために使うんだ」
黒須が太田さんに近づく。彼女は警戒して、身を引いた。
太田「私が日本を救う?」
『そうよ、貴方が日本を救う力になるの』
太田「貴方達は何者なんですか?」
黒須「…知らない方がいい」
黒須「その組織は独自の通信網を持っているらしく、これまでどの国の情報機関もその実態を掴むことができなかった。だが情報提供者から組織のアジトはロシア国境から車で一日から四日のこの範囲を移動しているとの証言を得た。」
『我々はこの上空にある三百近くの映像を調べ、一つの静止衛星を突き止めた。おそらくこれがその静止衛星にアクセスする通信暗号キー』
黒須「スーパーコンピューターで様々な角度から計算を行ったが、未だその暗号を解くに至っていない。」
太田「そのスーパーコンピューターの性能ってどれくらいですか?」
『富岳級』
太田「じゃあ無理」
黒須「え?」
太田「その情報提供者のスマホは?」
黒須「すぐにデータを送らせる」
太田「いえ、現物を」
太田さんにアリのスマホを渡すと、秒速でパスワードを突破。そしてカメラアプリを開いた。一体何を…?
数字が羅列された紙をカメラでスキャンすると何やら文字が出てくる。
『これは数字じゃなくQRコードのような役割をしてたってことね』
黒須「じゃあアプリに入れたってことは過去のメッセージ見れるよな?」
太田「このアプリ、過去のメッセージは残らないような仕様になっています。見るためにはサーバーの場所がわからないと…」
一筋縄には行かないってわけね。なるほど。精巧な仕組みだ。
太田「特殊なプログラム仕込みます。送信するとデータが通ったルートが赤くなります」
黒須「最後にたどり着いたところにサーバーがあるってことか」
太田「サーバーの位置さえわかればあとはハッキングしてサーバー内の情報を頂く」
『でも、メッセージが問題ね』
太田「情報提供者はもうメッセージを送れる立場にないってことですか?」
『そう、それと日本からの発信もバレたくない』
太田「わかりました。あと九時間、ギリギリですがやってみます」
ありがとう、と言って乃木さんと司令に報告のメールを送った。
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rui - 所々ある黒須さんとの絡みが読んでいて楽しめました。このあとの2人の関係や水羽さんの過去など、展開が気になります。更新、楽しみに待ってます。 (10月15日 1時) (レス) @page19 id: 3a7fda0428 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶 - VIVANTの小説は少ないのでとても楽しく読ませて頂きました!同じく7話が衝撃すぎてどうなるか全く想像出来ないので最終回が終わるまで楽しみに待っています!頑張って下さい🥹 (8月28日 21時) (レス) id: 9f4c88a27d (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 7話衝撃的でしたよね!最終回まで続き楽しみだけど我慢して待っときます...😢 (8月28日 4時) (レス) @page19 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
かい - めっちゃ面白いです! (8月28日 0時) (レス) @page18 id: 2262061eb9 (このIDを非表示/違反報告)
月海(プロフ) - ( 'ω')そうですよね...意外すぎる展開、、、最終回あとの楽しみが出来ました!!頑張ってください!待ってます (8月27日 23時) (レス) @page19 id: 25a0c09626 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉莉花 | 作成日時:2023年8月15日 23時