たとえ世界中が敵になっても【VIVANT】

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乃木「確かに警察とは似て非なるもの。有事のあと法に基づいて動くのが警察。僕たちは、有事のあとに動く。」


山本「乃木…！」




乃木さんがこめかみあたりを押さえて、黒須が「乃木さん？」と呼ぶ。




乃木「よお、山本」

乃木「お前は俺らのことよく知ってるはずだけどなあ。好きで色々調べたんだろ？」

山本「まさか、お前、」

山本「嘘だろ、お前が別班？！有り得ない！別班はずば抜けて優秀なエリート集団のはず。同期の出世レースからも脱落したお前が別班なんかになれるわけないだろ！」

乃木「出世？そんなものしたら任務に差し支える。別班は海外飛び回ってなんぼなんだよ」

山本「じゃあ、わざと？嘘だろ…」




GFLとの共同事業もアリに接触するため。同期の乃木さんが実は別班。ずっと騙されていた山本は驚いた表情のまま。




乃木「長野か宇佐美あたりがモニターだと踏んで動き出すのを待っていたがお前だったとはなあ。太田が失踪してまさかと思い黒須と水羽にお前を張らせたが一度たりとも彼女の元には行かなかった。お前、このまま彼女が野垂れ死ぬのを待つのか？自分の手で殺す勇気もないからな、この鬼畜野郎が！」




そう言って乃木さんが山本の首を絞める。やがて山本は椅子ごと倒れた。あーあ痛そう。




山本「乃木、俺が悪かった！頼む、何でもする！だから命だけは助けてくれ、助けてくれ！」

乃木「いいだろう。ただし条件がある。テントのことを教えろ」

山本「テント？」

乃木「そうだ」

山本「知らない！何も知らない！テントなんて組織のこと」


自分から墓穴掘ってどうすんのよ。


『あれ？テントが組織の呼び名だって言ったっけ』



乃木さんが平手打ちをする。さらに黒須が点滴に注射器を指し、薬を投与した。



乃木「なあ、山本？お前テントのモニターだろ？」

山本「うんそうだよ」

乃木「太田梨歩、綺麗だもんなー。手つけちゃったか？」

山本「うん、たっぷり可愛がってやった」



沸々と怒りが湧き上がる。同じ女として都合良く扱われたのが腹立たしい。

ガタッと立ち上がると、乃木さんに「水羽」と制止された。



黒須「優等生ですね」

山本「優等生？」

黒須「自白剤はな、効かないやつには全く効かない。その点お前は優等生、ってことだ。」



『こんなことなら公安入れず、直に捕まえて太田さんの居場所を吐かせれば良かったですね』

乃木「いいやもし自白剤が効かなかったらこいつは死んでも太田の居場所を吐かない」

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