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山本「あの太田がいなければ今回の計画は実行できなかった!二年前に無理やり脅して入社させて良かったよ」
『だけど…彼女がブルーウォーカーだってどうしてわかった?』
山本「組織の情報部に教えてもらった。俺が分かるわけないじゃん」
『そりゃそうか』
黒須がミャンマーについてからの金として山本にキャッシュカードを渡すように言う。丸菱銀行のもの。暗証番号は2527。
黒須が金をおろしに消えると、山本が酒をついで渡してくる。
『私はいいですよ』
にこやかに拒否すると、「せっかくだから飲みましょうよ」と自分のグラスにも酒をついでいる。
知り合ったばかりの人と、しかもこれから逃亡するというときに酒を飲むなんて脇が甘い。
『じゃあ一杯だけ』
軽く乾杯を交わし、グラスに唇をつけるふりをした。目の前の男は一口飲むとそのまま気を失った。
黒須「うわーマジでこいつ馬鹿じゃん」
頭を垂れて寝ている山本の前で嘲笑しながら、逃亡資金である札束を数えている黒須。
黒須「商社マンのくせに資産少ねぇな」
『テントのモニターも何かとお金かかるんじゃない?どうでもいいからこっち来て手伝って』
黒須「はいはい」
だるそうに立ち上がった黒須が山本の身体を縛り上げている間に首筋に点滴の針を仕込んだ。作業台には自白剤の注射器を置いておく。
黒須「おーい、起きろー」
寝ている山本を起こす。
山本「そろそろ時間か」
黒須「ほれ、金だ。受け取れ」
封筒を受け取ろうとして初めて、自分が縛られていて点滴に繋がれていることに気づいたみたいだ。
山本「おい悪ふざけはやめろよ。なんなんだよ、」
黒須の高笑いが響く。私もふっと鼻で笑ってしまう。
山本「お前ら仲間だろ!」
黒須「仲間?」
山本「違うのか?」
黒須「違う違う、全然。真逆だよ」
山本「まさか?警察?お前もか?」
私に目線が向けられる。にっこりと微笑んで山本に近づいた。
『そうでもあるし、これまた真逆でもある。ねえ先輩?』
「そうだね」
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rui - 所々ある黒須さんとの絡みが読んでいて楽しめました。このあとの2人の関係や水羽さんの過去など、展開が気になります。更新、楽しみに待ってます。 (10月15日 1時) (レス) @page19 id: 3a7fda0428 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶 - VIVANTの小説は少ないのでとても楽しく読ませて頂きました!同じく7話が衝撃すぎてどうなるか全く想像出来ないので最終回が終わるまで楽しみに待っています!頑張って下さい🥹 (8月28日 21時) (レス) id: 9f4c88a27d (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 7話衝撃的でしたよね!最終回まで続き楽しみだけど我慢して待っときます...😢 (8月28日 4時) (レス) @page19 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
かい - めっちゃ面白いです! (8月28日 0時) (レス) @page18 id: 2262061eb9 (このIDを非表示/違反報告)
月海(プロフ) - ( 'ω')そうですよね...意外すぎる展開、、、最終回あとの楽しみが出来ました!!頑張ってください!待ってます (8月27日 23時) (レス) @page19 id: 25a0c09626 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉莉花 | 作成日時:2023年8月15日 23時