たとえ世界中が敵になっても【VIVANT】

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乃木「黒須、映像を出せ」

黒須「いいんですか」

乃木「うん」


私たちが山本を尋問した動画と処刑した動画が流れる。


太田「ざまあみろ」

太田「訓練、したんでしょ。見せてよ」


乃木「黒須、水羽」

黒須「はい」/『はい』



ナイフを受け取る。乃木さんが投げたバナナにナイフを投擲。続く黒須も見事に命中させた。


太田さんは納得した表情で、すぐさまサーバーに残っていた記録を全て見せてくれた。



スクロールやクリックを繰り返すが、それらしきファイルが見当たらない。



何かしら表記が違うはず。判別できるように、言語が違うとか。目を凝らして見ていると、軽快な音に思考を遮られた。


ピンポーン、とドアチャイムが鳴った。乃木さんがすかさず確認する。


乃木「公安だ」



黒須が舌打ちをする。いつかは来るだろうと予測していたが、今とは。流石は公安。いや流石は野崎、といったところか。




『お二人はダミー部屋に』

乃木「うん。行こう」



乃木さんと太田さんは、事前に開けておいた四角の穴からダミー部屋へ入った。


壁に耳を押し当てると、荒くドアを叩く音がして令状と共に公安が部屋に押し入った気配がする。


何も見つけられない彼らは、早々に引き上げた。一行に野崎は居なかったようだ。


黒須「大丈夫ですか？」


少ししてから二人がまたこちらの部屋へ戻ってきた。データ探しを再開する。



乃木「ここだ」

太田「どうしたんですか」

黒須「文字は同じだが、ここだけロシア語だ」

乃木「これを開いてください」


画面に表示された情報に目を見張る。


『これ…』


乃木さんと黒須と目を見合わせた。

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