兄を求めて 14 ページ16
シャスside
私はエーミールさんとオスマンさんに連れられ、外交室と書かれた場所に入る。
そこには見知らぬ人が紅茶を目に誰かを待っていた。
?「ッ!シャスさん!!」
そう言って立ち上がったのは、茶髪のお兄さんだった。
メンツを一通り見るも、全員に見覚えを感じる。
なんだろう、思い出せないけど。
そんなことを思っていると、オスマンさんは私にコソッと耳打ちをした。
os「体調悪うなったら、言うんやで」
だから私は、ありがとうございます、と耳打ちで返した。
オスマンさんは私をソファの端っこに座らせ、外交(?)を開始させた。
os「本日は我々国においでいただき、誠に感謝申し上げます。本日はどのような内容でおいでになりましたか?」
?「そ、その方はッ、シャス様でお間違いありません…よねッ?!」
私の存在確認をした黒髪の人は、焦りと緩和の表情が見え、目を大きく見開いていた。
os「ええ…彼女はシャスです。ですが現在、全生活史健忘、気管支喘息を患わっています。歩く国としてマニフェストを掲げているとは思いますが、現在の彼女には不可能です。」
?「ッ…、ですがッ!」
em「今の彼女が過度な運動をしてしまえば、体は壊れゆくままです。それに、彼女の意見もあります」
?「…」
os「シャス、この方達は、嘗てお前の持っていた幹部やで」
『わたしの、もっていた…』
?「おいシャス!お前は思い出さんのか…?!」
?「やめろ、どう足掻いたって今のシャスさんには何も通じはせん」
『ッ、ごめんな、さい』
私は、私の役立たなさに謝っていた。
ごめんなさい、ごめんなさいと何度も謝って、気がつけば大きな粒として涙が溢れ出ていた。
ひゅ、と咽喉が音を鳴らすと、次の呼吸にはひゅうひゅう、と何度も何度も音を鳴らしていた。
呼吸が浅くなってく、
体が酸素を受け付けていないのが、痛感するほど伝わる。
os「…ッ、過呼吸や、シャス、聞こえるかッ?!」
と言われ、私は涙目ながらも頷く。
os「取り敢えず、これ飲め!」
と言われて差し出されたのは吸入器。
私は震えた手を出して受け取り、口元へやって思い切り吸い込む。
そして感じる浮遊感。
抱えられていると自覚したのは、もう少し後の話。
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作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/novel/usiro_member/
作成日時:2018年6月17日 14時