兄を求めて 37 ページ39
オスマンside
...俺は、シャスと出会った森に行く。
勿論、彼女の屍を持ち。
この場は、シャスにとっては見苦しいかもしれない。
だけど、俺が選んだんや。
シャスなら、仕方なさそうな顔して許してくれるやろ...?
闇夜に浮かぶ月光の木漏れ日の下に彼女の屍を静かに置き、首に掲げていたロザリオを手に取り、月と神に向かって祈祷する。
『...嗚呼神よ、月の煌めきよ...
我、汝らに身心を捧げる...
...原初、人は罪を犯しました。
死んだ声をも聞かぬ罪人は、体温も、感情も無知...
永久とは、眠りにつき。
微睡むとき、汝は使命を果たせり...。
呼吸をも許されぬ私らに、神は、月は...何を求めるのでしょう...』
『...彼女は、樹々の色に染まる...
そして樹々は、また死者を迎え入れる。
...それは、許されざることなのでしょうか...』
...嗚呼神、聞いているなら答えてほしい。
『貴方様は、『不平等な下劣生物』なのでしょうか...』
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/novel/usiro_member/
作成日時:2018年6月17日 14時