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携帯の連絡帳の一点を見つめる。
若干震える指が画面と触れ合うまであと数ミリ。
邪魔しているのは、
馬鹿にされるかもしれないという不安。
はたまた、こんなことで手を煩わせて良いのかという心配。
そして少しのプライドだった。
もう一度携帯と睨み合って、指を近づける。
外は雨模様で雷も鳴っている。
明日は折角彼女と出かけるというのに。
朝までに止んでくれるといいのだが。
「……よし」
案外そのプライドは、呆気なく崩れたものだ。
"ホントに飛雄だ。"
「うっす、」
電話をかけようとしていたのは、
まさしく中学時代の先輩、及川さんだった。
「…聞きたいことがあって。」
"サーブなら教えてあげないよーん。"
「………服、」
"は？"
「服、どんなの着たらいいですか、」
暫し返答はなく、
ただ笑いを堪えたような彼の呼吸が聞こえてきた。
"ついにファッションに目覚めたの？"
「違います！」
ただ、純粋に困惑していたのだ。
明日のことで、小学生の遠足の前日みたいに浮かれた。
しかし、いざ用意をしてみたところ、
洋服ダンスの前で固まってしまった。
「遊びに行くんですけど、何着たら良いのかなって、」
幻滅だけはされたくないし、
嫌われるなんて以ての外だ。
他人のフリをしたくなるような服装だと思われたら、もうこの世の終わりだろう。
"お前まさか、セッター魂の服着るつもりだったの？"
「さすがにまずいかなって……」
"……言いたいことはいろいろあるけど、お前がそこに気づいたってのがある意味救いだよね。"
電話で話しながら、言われた通りに服を探してみる。
自分では見たことのないものや、まだ値札が取られていないものが多々あった。
おそらく、両親が買ってきたものが大半だろう。
「明日雨ですかね」
"このままならね？雷すごいし。"
及川さん曰く、もっとお洒落な服が外出向きらしいが、
生憎俺の手元には及川さんの求めるような衣服はなかった。
"あとさ、カーディガンみたいな羽織るやつもってない？"
「………ちょっと薄い上に着るやつですか？」
"あー、それそれ。
持っていっておきなよ。"
「なんでですか？」
"ハァ？お前何言ってんの？
明日雨だよ？雨！
風邪ひくじゃん。"
「なるほど」
それからストレッチをしてから眠りについた。
カーディガンで、少しだけ荷物が増えてしまったが、
どうにもそれを持って行かないのは駄目な気がして、
無理やり鞄に押し込んだ。
『惑わされる日』
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mono(プロフ) - さくらまめさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。できるだけ皆様に納得していただけるような、素敵な展開にしたいです！パート3でも宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (
レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 湖々さん» コメントありがとうございます。長かったようで短かったです！笑 納得のいく可能な限り最大限のエンドにしていきたいです！そう言っていただけて嬉しいです。パート3でもお待ちしています！宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 真夜花@影山厨さん» コメントもありがとうございます！本当に素敵なイラストで、嬉しすぎでした。そう言っていただけて嬉しいです。ぎこちない2人ですが、今後とも見守っていただけると嬉しいです。パート3も宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
さくらまめ - パート２お疲れ様でした!!monoさんが書かれるもどかしい二人、いきいきしているサブキャラたちが大好きです！これからも応援しています!パート３も待ってます（*^_^*） (2014年11月17日 20時) (レス) id: 50383f2ae3 (このIDを非表示/違反報告)
湖々 - いよいよパート3ですね!!どんな風に展開するのか楽しみです。更新無理せず頑張ってくださいね、もちろんパート3も愛読させていただくと思います、笑 (2014年11月15日 8時) (レス) id: cdc5b89ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mono | 作成日時：2014年8月7日 21時
