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週が明けて翌日に練習試合を控えた。
先生に見つからないように、あくびを一つ。
窓側の席の子は授業に退屈しないでよくて羨ましい。
「号令。」
委員長の間延びした声で挨拶をし、
まだチャイムが鳴っていないにも関わらず、
皆は昼食の準備を始めた。
「月島にさ、」
月島君に聞こえないように囁く。
各々の弁当箱やパンの袋を開ける雑音で、
その声は聞こえ辛かった。
「オフの日、空いてるか聞いたんだけどさァ、CDショップ行くからダメ、って言われた。」
「うっわ、凄い想像できるわ」
頬を膨らませながら言う。
「駅前のスポーツショップできたじゃん？
あそこに行こって誘ってもダメだった。」
皆が苦笑いする。
月島君らしい返答で、誰でも想像がつくものだった。
「なんでも、山口と行くらしい」
「ね、じゃあさ、みんなでどっか行かない？」
いいねいいねと、広がる話に、
ただ、形容し難い焦りに追われて、
食事が進まなかった。
「今週の日曜だよね？
私は空いてるけど？」
「私もー！」
「Aは？」
ぱくり、と一口。
無味な菓子パンを噛み砕いて、必死に飲み込む。
味のしないそれは、空腹を満たす以外に意味はない。
ただ、空っぽな腹底を埋める代役でしかない。
彩りのある味なんて、初めから。
「ねぇ、聞いてよ！」
後ろから近づく小さな足音に、
私の声は掻き消された。
目を見開いて後ろを振り向けば、
つい先ほど自販機へと向かったはずの前の席の彼女がいた。
「影山くんに、オフの日空いてないって言われた！」
月島君推しの彼女へと抱きつく。
私も断られた、なんて同情し合いながら互いに笑う。
「先約がある、って。」
「えーでも、明らか彼女とかいなさそうじゃん。」
「全然こういうのに興味なさそうだし、」
不安がる彼女が視界の端に映る。
目が合えば、彼女が私の横に来て申し訳なさそうに俯いた。
「潮崎さんがせっかくオフの日教えてくれたのに………。」
乾いた風が吹き抜けた。
素直に言えればいいのに、言えないから。
隠してるみたい。
言ってしまえば、全て壊れてしまうような気がして。
クラスメイトと同じ人を好きになってしまうって、
こんなにも苦しいことだったのか。
わかっていたはずの、
何度も中学のときに見てきたはずの光景。
ごめんなさい、
罪悪感を噛み砕いて飲み込んだ。
それは、相変わらずに無味だった。
けれども、
どうにも後味は苦く感じた。
『塩梅の日』
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mono(プロフ) - さくらまめさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。できるだけ皆様に納得していただけるような、素敵な展開にしたいです！パート3でも宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (
レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 湖々さん» コメントありがとうございます。長かったようで短かったです！笑 納得のいく可能な限り最大限のエンドにしていきたいです！そう言っていただけて嬉しいです。パート3でもお待ちしています！宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 真夜花@影山厨さん» コメントもありがとうございます！本当に素敵なイラストで、嬉しすぎでした。そう言っていただけて嬉しいです。ぎこちない2人ですが、今後とも見守っていただけると嬉しいです。パート3も宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
さくらまめ - パート２お疲れ様でした!!monoさんが書かれるもどかしい二人、いきいきしているサブキャラたちが大好きです！これからも応援しています!パート３も待ってます（*^_^*） (2014年11月17日 20時) (レス) id: 50383f2ae3 (このIDを非表示/違反報告)
湖々 - いよいよパート3ですね!!どんな風に展開するのか楽しみです。更新無理せず頑張ってくださいね、もちろんパート3も愛読させていただくと思います、笑 (2014年11月15日 8時) (レス) id: cdc5b89ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mono | 作成日時：2014年8月7日 21時
