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鍵を締めて、互いに無言で立ち尽くす。
横を見れば、へなへなと彼女が座り込んだ。
「……ごめんね、影山君、」
どれくらいの距離がよいのかわからなくて、
スポーツバッグ一つ分くらいの距離を空けて、
彼女の隣に座り込んだ。
「なんで謝るんスか、」
「誤解させちゃったから、」
「俺の早とちりだから、」
あの時の自分の必死さと言ったら、
今思い出しただけでも赤面してしまう。
「……嫌いじゃないからね、」
「うス」
「本当だからね、」
「……うス」
「嘘じゃないから、」
段々とくぐもっていく声に、動揺した。
でもどこか切ない気持ちになって、
手のやり場に困った。
「私は、嫌いじゃないから、」
何度も、嫌いじゃない、を繰り返す彼女に、
淡い期待を抱いてしまう。
今までだってそうだった。
部活の度に、何度も舞い上がってしまうことがあった。
嫌いじゃない、ということは、
極端に言えば、
"好意を抱かれている"か、
"なんとも思われていない"か。
どちらかだからだ。
さすがに脳内お花畑すぎるだろう。
家に帰っても、浮かぶのは彼女の赤らめた顔ばかりで、
もう手の施しようがなかった。
「本当、だから、」
言い聞かせるように呟く彼女に、
少しだけ安堵を覚える。
拒絶されていないという安心感が、
暗い夜の寒ささえも蹴り飛ばす。
拒絶されるのは嫌だ。
誰だってそうだろうけれど。
ああ、もういっそのこと言ってしまおうか、
ああでも今言って玉砕したら、
気まずいし恥ずかしい。
いや、でも。
「……潮崎さん、」
「何？」
「その、す、」
「……す？」
「すす、す、凄く寒くないですか！？帰りますか！？大丈夫ですか！？」
「………影山君、汗かいてるけど、大丈夫？」
パッ、と空が光って見上げれば、
流れ星らしきものが見えた。
その光の明るさが、
かつての先輩のウインクと重なって、
酷く嫌悪感を抱いた。
「帰ろっか、」
結局言えなかった。
好きな人がいるのかさえ聞けなかった。
まあ、でも、
いつの間にか和解したわけだし、
少しだけ距離が縮まったような。
暗い夜道を歩く。
彼女の歩幅に合わせて歩くように意識した。
普段よく姿勢が悪いと言われるから、
猫背も直して、背筋を伸ばして歩いた。
逃げ水のような関係だった俺たちは、
少しだけでも歩調を合わせることができただろうか。
右も左も分からない状態の俺の、
ささやかな努力を、
彼女は気付いてくれているだろうか。
『モデストデイ』
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mono(プロフ) - さくらまめさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。できるだけ皆様に納得していただけるような、素敵な展開にしたいです！パート3でも宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (
レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 湖々さん» コメントありがとうございます。長かったようで短かったです！笑 納得のいく可能な限り最大限のエンドにしていきたいです！そう言っていただけて嬉しいです。パート3でもお待ちしています！宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - 真夜花@影山厨さん» コメントもありがとうございます！本当に素敵なイラストで、嬉しすぎでした。そう言っていただけて嬉しいです。ぎこちない2人ですが、今後とも見守っていただけると嬉しいです。パート3も宜しくお願いします！ (2014年11月17日 23時) (レス) id: ae3790c4ff (このIDを非表示/違反報告)
さくらまめ - パート２お疲れ様でした!!monoさんが書かれるもどかしい二人、いきいきしているサブキャラたちが大好きです！これからも応援しています!パート３も待ってます（*^_^*） (2014年11月17日 20時) (レス) id: 50383f2ae3 (このIDを非表示/違反報告)
湖々 - いよいよパート3ですね!!どんな風に展開するのか楽しみです。更新無理せず頑張ってくださいね、もちろんパート3も愛読させていただくと思います、笑 (2014年11月15日 8時) (レス) id: cdc5b89ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mono | 作成日時：2014年8月7日 21時
