Together (ページ4)

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リリーside

よしっ！と自分を鼓舞して立ち上がろうとする。

「っ、！！！」「ゔぁ………あっ………」

まだ乱れる呼吸の中、歪んだ車を支えにゆっくりと立ち上がる。1人のゾンビが直ぐそこまで来ていて何とか頭部を車体にぶつけ破損させ倒す。

グシャ！

「ハァ…ハァ…ッ！」

車の窓ガラスに映る自分を見るとひどい有様だった。傷だらけで、頭部からは血が流れてる。

「…無事で…迎えに行くって、約束したんやけどな…っ！」

またAの家に走り出そうと、一歩踏み出す。

「ゔっっ！！！」

脇腹に激痛が走り顔を歪め片膝を着いてしまった。車体に体をぶつけた拍子に肋骨にヒビでも入ったのだろう。

「クソっ…！なん…やねんっ！」

もうボロボロだった。此処で倒れる事が出来たらどんなに楽か。泣き出したくなった。でも俺は諦めない！

脇腹を抑えながらもう一度車を支えにフラフラと立ち上がる。

「ッ、！！！」「ハァ…ハァ…ッ！」
「ぐぁっ…！」

今度は全身に激痛が走るのを覚悟し、足を踏み出しそこから一気に走り出す。

Aを救うという気持ちだけで体が動いていた。他のことを考え始めたらもう直ぐにでも倒れてしまいそうだった。

「ハッ…ハッ…ハッ…」「ゔっ……っ…！」
「ごほっ…ごほっ…っ！」

脇腹を抑えたまま走り続ける。もう息が出来ているのかどうかもよく分からなかった。ただ苦しかった。だが、襲ってくるゾンビを必死に倒しながら足を進めていった。