スケッチ*14 ページ31
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「いらっしゃいませ!」
明るい声が一室の教室に響く。
案外繁盛するもんだなぁ、と考える。
僕は接客ができない、会計もできない。
調理は出来る、でもせっかくだから個性を生かせばいいと皆に言われたから似顔絵を描く仕事をしている。
これも結構お願いします、と言ってくれるお客さんがいっぱいだ。
僕がいま描いていたのは、一つ上の学年の女の先輩。
依頼を受ける時少し話すのだが、赤く顔を染めて話し掛けられた。
…もしかしてモテ期かなこれ。
うかれた思いのまま絵を描き終える。
…さぁ、暇になった。
適当にいい人を見つけて描かせてもらおうと思いあたりを見渡す。
すると一つの席に三人が座っていた。
金髪で結構短い髪の人。背の小さい少しおとなしそうな雰囲気の人。黒髪でいかにもV系って感じのイケメン。
あ、凄く笑ってる。…素敵だな。
よし決まり。描く人決まった。
そう心の中で思い鉛筆を動かす。
…素敵な表情をするなぁ。
しばらく集中して書いていると「おい」と声をかけられた。
キ「誰描いてんの?」
何だキヨ君か。手元にメモ帳がないので事前に用意しておいた文字の書いてあるスケッチブックを捲って「できません」と書かれたページを見せる。
キ「何だよできませんって!話し掛けんなってことかよ…って、それ」
僕の書いていた絵をじっと見つめる。
何だろうと思いながらキヨ君の口が開く時を待っていると
キ「こーすけにヒラにフジじゃん。…こんなイケメンじゃねえべ」
『失礼』
さっきの「できません」のページの端っこの方にそう書く。
ていうか友達なんだ。ちょっとびっくり
キ「あいつら小さい頃から一緒なんだよ。高校は離れたけど。」
ふーん、と声も出ないエア返事をする。
キ「その絵、出来たらあいつらにやったら?結構喜ぶと思う」
金も巻き取れるし、付け足すように言った。
そうだなぁ、残していくのもあれだし出来たらあげよう。
キヨくんの言葉に頷きを返す。
キ「おう、んじゃ戻るわ!Aもそろそろ休憩だろ?一緒に回ろうぜ」
うるさそうだな、と心の底で思ってるけどそれは顔に出さないでおく。
もう一度頷きを返すと満足したように自分の持ち場へ戻った。
さぁ僕も描かなきゃな。
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こえ(プロフ) - チョコ猫。さん» そうでしたか....!こちらこそすみません(´ヮ`;) (2016年4月25日 23時) (レス) id: f1d785d7ac (このIDを非表示/違反報告)
こえ(プロフ) - アホの子さん» 握手ですか!いいですね〜(´ー`)!シオカライブとても楽しかったですよ!コメントありがとうございます。 (2016年4月25日 23時) (レス) id: f1d785d7ac (このIDを非表示/違反報告)
チョコ猫。 - こえさん» すいません!この間の絵が許可をとるのを忘れていたのですが…! (2016年2月28日 17時) (レス) id: beb6e56270 (このIDを非表示/違反報告)
アホの子 - 闘会議でコジマさんと握手した私も死しかありません。というか羨ましい限りですシオカライブ見れなかったんですウワアアアアアア (2016年2月20日 22時) (レス) id: c6da9b4278 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ猫。 - こえさん» ありがとうございます!!全然いいですよ! (2016年2月16日 0時) (レス) id: beb6e56270 (このIDを非表示/違反報告)
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