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「なんかごめん、こんな話しちゃって」


「全然いいよ?

Aちゃんのことだから溜め込んでたんでしょ?


無理は良くないよ」



健人の手が私の頬に伸びてきて

受け入れる覚悟でいたけれど、直前でぴたっと止まる



「ねえ、こんな話の後に聞くのは違うと思うんだけど」


健人が不安そうな表情を浮かべながら


「菊池と、付き合ってるの?」


今にも消えてしまいそうな声で聞いてくるから、思わず違うよと言ってしまいそうになる

風磨のこと、大好きにはずなのに

目の前の健人には付き合ってること知られたくないなんて思ってしまっている私は、一体何がしたいんだろう




「うん、」


思ったよりも小さい声しか出なかったけど、健人にはちゃんと聞こえていたみたいで

私の頬まで伸びていた手を引っ込めて


「そっか、」


なんて悲しそうに笑うから、胸の奥の方がギュッと痛くなる




「菊池、最近楽しそうにしてたからさ

Aちゃんのおかげだったんだね、ありがとう」



深々とお礼をされるから、どうしたらいいか分からなくって


「やめてよ、」


そんなことしか言えない



顔を上げた健人の表情は、やっぱり悲しそうで

余計にどうしたらいいか分からなくなる



「そろそろ帰ろうかな

菊池たぶん記憶ないから、朝まで一緒にいてあげて」



じゃ、と帰っていく健人に何も言えなくて

ただ見送ることしか出来ない




健人が居なくなった部屋で、なんで付き合ってるって気付いたんだろうなんて考えるけど

そりゃ合鍵持ってるとなれば、付き合ってると思うか

なんてすぐ解決して



皮膚科の薬、取りに来なきゃ良かった

取りに来なきゃ、健人と再会することも無かった



こんなに心が複雑になることも無かった



なんて思うけど、後悔しても遅い





風磨の元へ行けば

ぐちゃぐちゃと色々な感情が交差して大変な私の事なんて知らないで

スヤスヤと気持ち良さそうに寝てて



相変わらず寝相悪いなあ、なんて笑ってしまいたいのに

健人の悲しそうな笑顔が浮かんで笑えない



こんなぐちゃぐちゃな気持ち、どこかへ行ってしまえ

そんな願いを込めて


そっと、風磨の唇に自分の唇を重ねた

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設定タグ:中島健人 , 菊池風磨 , SexyZone
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あちゃん(プロフ) - natsuさん» そんなこと言っていただけて嬉しい限りです!ありがとうございます! (2021年1月8日 7時) (レス) id: d0017b4288 (このIDを非表示/違反報告)
natsu(プロフ) - ふまけん推しにはたまらないです!!! (2021年1月8日 2時) (レス) id: 4884eda99b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あちゃん | 作成日時:2021年1月6日 4時

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