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「おじゃましまーす」
「だから、入っていいなんて言ってないって」
私を無視してズンズンと慣れたようにリビングに入っていく風磨
突然の告白をかまされてからというもの、毎日のように理由をつけては私の家にあがってくる
「お!もう届いてんじゃん」
机の上に並べられたピザに、風磨は早速手をつけている
そう、彼は勝手に私の部屋宛に宅配を頼んで
断れなくて受け取ってしまうという私の弱点をいい事に一人じゃ食べきれないだろ?と入ってくる
なんとも強引な手段というか、彼らしいというか
あの告白にどうせ深い意味なんて無いだろうと思っていたけど、こんな生活が続いてもう2週間
もしかしたら彼は本気なのかもしれないと思い始めている
「ねえ、私そろそろさっぱり系が食べたいんだけど」
風磨が頼むものは大抵ガッツリ系のものばかりで、本当に私を口説きたいならもうちょっと女子が好きそうなものを頼めよ、とか思ってしまう
風磨のお金で買ったもの達だから文句は言わなかったけれど、この先も毎日ガッツリ系の夕食を食べなければならないのかと思うとさすがに気が滅入る
「お前徐々に俺の事受け入れてんじゃん、可愛いやつだな」
「は、そういう事じゃないんですけど」
確かに、風磨が毎晩家にやって来ることに最初は怒っていたけれど
最近は少し楽しみにしてしまっている自分もいる
それを悟られたくなくてピザを一口頬張る
「なんだかんだ言いながらいっつも食うじゃん」
「お腹は空いてるから仕方なくです」
「まあそんなプリプリすんなって、デザート買ってきてやったから」
ほい、そう言って差し出されたのは私の好きなイチゴのフルーツサンド
コンビニのじゃなくて、有名なお店で売っているやつ
「え、これ食べたかったやつ」
「前冷蔵庫覗いたらコンビニの入ってたから好きなのかなと思って」
「へえ、やるじゃん」
並ばないと買えないから、なかなか行けるタイミングが無くて食べれていなかった
「いただきまーす」
一口頬張ると、あまりの美味しさに思わず笑顔になってしまう
「美味しい!風磨ありがとう」
そう言えば、風磨は私の頭を撫でて
「美味しそうに食べてくれて嬉しい限りです」
ニコリと微笑む彼に胸が少し高鳴った
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あちゃん(プロフ) - natsuさん» そんなこと言っていただけて嬉しい限りです!ありがとうございます! (2021年1月8日 7時) (レス) id: d0017b4288 (このIDを非表示/違反報告)
natsu(プロフ) - ふまけん推しにはたまらないです!!! (2021年1月8日 2時) (レス) id: 4884eda99b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちゃん | 作成日時:2021年1月6日 4時