狂わせた時計の針を戻す方法 (ページ31)

今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:29,044 hit

・ページ31

・

ｶﾞﾁｬﾝ

大きな音を立てて勝利と同棲してた家に入る

｢え、A、？｣

眠たそうな目を擦りながら、

リビングから勝利が出てくる

1ヶ月ぶりの勝利の姿

思わず走って抱きつく

｢なにこれ、夢？｣

よっぽど眠たいのか、呑気なことを言う勝利

｢違うよ、夢なんかじゃない｣

伝えなきゃ

1度も彼に言ったことが無い言葉、

｢好き、

私、勝利のことが好き｣

｢今更遅いよね、

勝利はあんなに言葉でも行動でも示してくれたのに

私ってば、自分の都合で受け入れられなくて、

勝利のこと沢山傷つけたよね｣

｢もっと早く、言ってあげられればよかったのに

好きって、

たった一言が言えてたら、

勝利が傷つく事なんて無かったのに｣

おもわず、涙がこぼれる

｢A、泣いてるの？｣

｢泣かないでよ、俺、Aの涙に弱いんだから

どうしたらいいか、わかんなくなるんだから｣

｢そういう勝利も、泣いてるじゃん｣

顔を見るために離れてみたら

すっごく綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして泣いてるもんだから、

思わず笑ってしまう

｢だって、Aが俺の事好きって、｣

夢見たい、なんて言う勝利

5ヶ月も付き合って、同棲までしてたのに

そんな言葉を言わせてしまった私は

どれだけ勝利を苦しめていたんだろう、

・