狂わせた時計の針を戻す方法 (ページ20)

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｢いらっしゃい｣

あれからというもの、

私は中島さんのお店に通っている

案の定、お客さんも戻ってる

ランチタイムが終わってからは、

比較的やることが少ないみたいで

こうやってカウンター越しにお話する

｢Aちゃんって、彼氏いたんだね｣

中島さんからの唐突な質問に、驚く

｢昨日スーパーに買い出しに行く時に

偶然見かけちゃってさ｣

ああ、昨日は勝利と11月だから2人で鍋をしようってことになって

買い出しに行ったんだった

急に怒り出すことはあるけれど、

最近は上手いこと、やれてると思う

｢俺、てっきり両思いなのかと勘違いしてた｣

ははは、と爽やかに笑う中島さん

｢え、両思い？｣

｢うん、Aちゃんよく来てくれるし

俺のこと好きなのかなーって｣

｢その言い方だと、中島さんが私のこと好きってことになりますけど、｣

疑問に思い聞いてみれば、

｢うん、好きだよ、｣

なんて当たり前かのように返ってきて

驚いて、アールグレイをこぼしてしまった

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